【香港マイル】有力騎手・調教師
2017年12月06日 12:00
連覇を狙うビューティーオンリーを管理するアンソニー・クルーズ調教師は、ビューティーオンリーのほかに、過去に香港マイルを03年のラッキーオーナーズ、10年のビューティーフラッシュの計3回制覇。72年に香港ジョッキークラブの騎手アカデミー第1期生としてデビュー後、96年に騎手を引退するまで6回リーディングジョッキーのほか、ホワイト騎手に破られるまでの香港における最多勝利数の記録も打ち立てた。引退後は調教師に転身し、サイレントウイットネスやブリッシュラックといった国外でも活躍する馬を手がけた。調教師としても2度、リーディング首位となっており、通算勝利数も1100を超えている。
騎乗するザカリー・パートン騎手は、オーストラリア出身で、00年にデビュー。02/03 年シーズンには見習騎手の身でクイーンズランド州のリーディングを獲得。05/06年シーズンからシドニーに拠点を移すと、2シーズン連続で同地区のリーディング2位となった。07/08シーズンより香港で騎乗を開始。早くから上位に食い込み、13/14シーズンにはD.ホワイト騎手が13シーズン保持していたリーディングタイトルを獲得する。また、12年にはリトルブリッジとのコンビで、ロイヤルアスコットのキングズスタンドステークスを勝利した。昨年の香港国際競走ではビューティーオンリーでのマイルとエアロヴェロシティでのスプリントで2勝を挙げた。
昨年2着のヘレンパラゴン、3着のジョイフルトリニティ、そしてビューティージェネレーションの3頭を出走させるジョン・ムーア調教師は、これまでにもエイブルワン、エクステンション、ダンエクセルといった1600m路線の名馬を多く手がけた。85年に開業以来、7度の香港リーディングを獲得しており、香港の調教師として通算最多勝利と最多獲得賞金を記録を保持、更新している。昨シーズンはラッパードラゴンが史上初となる4歳三冠を達成し、ワーザーも香港ゴールドC、チャンピオンズ&チャターCの二冠を勝利するなどあって獲得賞金額はぶっちぎりの1位だった。香港マイルは、一昨年のほかに、11年に9歳のエイブルワンで勝利しており、4つの香港国際競走もすべてを勝利している。
ヘレンパラゴンに騎乗するトミー・ベリー騎手は、この9月からムーア調教師との主戦契約騎手として香港でレギュラー騎乗している。91年にオーストラリアで、元騎手であり調教師の父・ケビンの下で双子の兄として生まれた。弟のネイサンとともに、父の下で見習い騎手として研鑽を積むと、09/10シーズンのシドニー地区の見習い騎手チャンピオンを獲得。12年にエポレットとのコンビでゴールデンローズSを勝利しG1初勝利を飾ると、シドニーのゲイ・ウォーターハウス調教師の契約騎手としてオファーが舞い込み、翌年にはゴールデンスリッパーを勝利、さらに香港クイーンエリザベス2世Cでのミリタリーアタックの鞍上に抜擢され、見事にその期待に応えて以来、ムーア調教師とは良好な関係が続いている。昨シーズンもヘレンパラゴンとのコンビでG1を2勝した。
ジョイフルトリニティに騎乗するのは、フランス出身のジェラール・モッセ騎手。今年で50歳、レースキャリアも現在35年目の大ベテランで、パトリック・ビアンコーヌ、フランソワ・ブータンといった名調教師の下で研鑽を積んだ。フランスのクラシックレース全てを制したほか、ソーマレツで凱旋門賞を勝利。さらに、10年にはアメリケンとのコンビでメルボルンCをフランス人騎手として初めて制覇するなど、実績は枚挙に暇がない。香港マイルはビューティーフラッシュで勝利、香港国際競走も4競走全て(前身含む)を勝利している、“リビングレジェンド”だ。
ビューティージェネレーションに騎乗するのは地元香港のデレク・リョン=カーチュン騎手。香港ジョッキークラブアカデミーの騎手課程を修了後、ニュージーランドのランス・オサリバン厩舎で見習いライセンスを取得。08/09シーズンより香港での騎乗をスタートさせると、2シーズン目にインスピレーションとのコンビでG3プレミアボウルを勝利して重賞初制覇。以来、派手さはないものの堅実な成績を残し、10年にはアジアヤングガンズで優勝、インターナショナルジョッキーズチャンピオンシップにも15年、16年と2年連続で地元騎手代表として出場している。
シーズンズブルームを管理するダニー・シャム=チャプセン調教師は、騎手として77年から83年まで香港で騎乗したのち、アシスタントトレーナーとして、インディジェナスやフェアリーキングプローンを管理したアイヴァン・アラン調教師の下で修行を積んだ。03/04シーズンから独立開業し、アラン調教師から引き継いだシンチレーションで04年のG3シャティントロフィーを勝利。さらに同馬で翌年の香港クラシックマイルを勝利してG1初制覇を果たす。最大の成功はリトルブリッジで挑んだ12年のキングズスタンドSで、アジア調教馬として初めてロイヤルアスコットでの勝利となった。