昨年はスプリント同様に地元勢の上位独占となった香港マイル。過去10年のデータから過去の傾向を探っていく。

　まず表1は人気別成績。1番人気馬は14年エイブルフレンドら2勝をあげ、複勝率70％でトップ。2番人気馬が一昨年のモーリスら最多の4勝をあげている。以下、4番人気馬が昨年のビューティーオンリーら2勝、6・12番人気馬が1勝ずつ。

　2着馬・3着馬も下位人気まで幅広く分布しており、特に6～9番人気馬は2着4回・3着2回と馬券に絡むことが多い。昨年も2着に8番人気ヘレンパラゴン、3着に9番人気ジョイフルトリニティが馬券に絡んでいる。伏兵馬はぜひチェックしておきたい。

　表2は前走レース別3着以内数。前哨戦のジョッキークラブマイル組が昨年のビューティーオンリーら8勝と圧倒しており、3着以内数も20回と非常に多い。昨年も上位3着までを占めており、この組が中心だ。

　一昨年優勝のモーリスはマイルCS組。14年3着グランプリボスもこの組だった。安田記念組の1勝は13年香港馬のグロリアスデイズ。勝ち馬は上位3レースから出ていた。

　なお、ジョッキークラブスプリント組からは2着2回があるものの、10年以降は好走馬が出ていない。

　表3はゲート番別成績。複勝率が最も高いのは9番の馬で60％と非常に高い。この9番から外の複勝率が総じて高い。実際に3着以内馬30頭中20頭が9～14番ゲートの馬から出ている。昨年は13番ゲートのビューティーオンリーが勝利。近5年続けて2ケタゲート番の馬が勝利している。スプリントとは異なり、マイルでは外枠有利の傾向が出ている。

　一方、8番より内のゲート番の馬からも好走馬は出ているが、バラけている印象。なお、2・4・8番ゲートの馬からは好走馬が出ていない。

　最後に表4は国別3着以内数。香港調教馬が07～09年に3連覇を達成したグッドババら9勝と圧倒しており、3着以内数でも23頭を占めている。これら香港馬は前哨戦のジョッキークラブマイル組の取捨が馬券のカギを握りそうだ。

　日本馬は一昨年モーリスが優勝し、14年グランプリボスが3着。2頭ともに安田記念・マイルCSの両方で連対した経験があった。参戦する日本馬は異なるコースでも力を出せる柔軟性が必要だろう。

　他ではイギリス調教馬が2着2回で、ヒモにマークしておきたい。