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須田鷹雄の香港国際競走2025注目馬~香港マイル編

2025年12月13日 10:00

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 今回日本馬に優勝のチャンスがあるのはこのレースではないかと思う。ヴォイッジバブルはいるが、カーインライジングやロマンチックウォリアーに比べればまだ戦いやすい相手。一方で、展開ひとつで好走馬が入れ替わりそうな面もあり、予想が簡単なわけではない。

◎日本馬のチャンスは?

 ソウルラッシュは、「ロマンチックウォリアーを負かした馬」(ドバイターフ)ということで地元人気が高まっている。池江泰寿師は「(負けた)安田記念とかも見てよ」と笑っていたが、ロマンチックウォリアーはともかくヴォイッジバブルとの間に決定的な差はない。問題はスムースな競馬ができるかどうか。他馬との接触などがあるとハミをとらなくなるようなことがあるそうで、「(先行するであろう)ヴォイッジバブルが自分より外に入ったのは良くない。内に置いてそれを見る形がよかった」と池江師は語っていた。ザライオンインウィンターあたりも出してくる可能性があり、それらの馬に擦られることなく自分のポジションで流れに乗っていきたい。

 エンブロイダリーは若い馬ということもあって心身ともに自分のレベルをキープできるかどうか。この原稿を書いている金曜にもパドックでのスクーリングなど環境への対応をはかっている。香港の計量は金曜発表で、1063ポンド=482キロ。日曜までにもう少し減るだろうが、前走488キロ・前々走482キロに比べて極端に減ることはなさそうだ。

◎注目外国馬1 ヴォイッジバブル

枠順抽選で12番を引いたヴォイッジバブル陣営。(Photo by Kazuhiro Kuramoto

 配当妙味はないが、馬券上切ることはできない馬なので挙げておく。前走はロマンチックウォリアー相手に敵の土俵(2000m)で戦った結果の2着なので問題なし。むしろ今年の香港有力馬たちはプレップ競走から走りすぎていないか心配になるほどだ。シーズン初戦のシャティントロフィー大敗は状態面が理由だと思うので、不安は払拭されつつある。ただ今回は逃げ先行タイプが多いうえに自身が外枠。勝ち切れるかどうかは微妙なところ。なにか差し馬と組み合わせての軸2頭マルチで順番違いの高目を目指すのも面白いかもしれない。

◎注目外国馬2 ギャラクシーパッチ

ギャラクシーパッチは5番枠に決まった。(Photo by Kazuhiro Kuramoto

 昨年は大外14番枠から7着。チャンピオンズマイル5着時も11番枠と外だった。差し馬だが外枠でもOKというタイプではなく、5番枠という無難なところを引いた今回、どんな競馬をするか楽しみだ。前哨戦であるジョッキークラブマイルを勝ってしまったためある程度人気になりそうだが、今回は木曜にブリンカーを止めパイザーに変えることが発表され、その効果も期待できそうだ。勝った前走も中盤や直線でふわふわするところがあったそうで、それに対し12月4日のバリアトライアルではバイザーに変えた効果が確認できたというので、期待は高まる。

(取材、文:須田鷹雄)