【世界の騎手紹介 Vol.51】イオリッツ・メンディザバル

2021年09月22日 17:50

 フランスのチャンピオンジョッキーにこれまで4度も輝く名手。1974年5月2日、スペインのバスク地方のサンセバスチャン出身。父は銀行員、母は教師という、競馬とは関わりのない家庭に育ったが、幼少期からポニーに跨がり、やがてキャッシュ・アスムッセン騎手(フランスチャンピオンジョッキー5回。メアジードーツで第1回ジャパンカップ優勝)に憧れて騎手を目指すようになった。

 地元には騎手になるための学校がなかっため、フランス語はいっさい喋れなかったにもかかわらず、両親を説得してフランス南部のモンドマルサンにある学校に14歳で入学。1990年6月に最初に師事したミシェル・ラボルデ厩舎のニニーヴェラドゥースで初勝利を挙げた。

 その後は雌伏の期間も長かったが、ジャンクロード・ルジェ調教師の下で研鑽を積んで信頼を得たこともあり、2000年代に入ると一気に躍進。2003年にG3プシケ賞をコマーサント(G3京成杯勝ち馬ベストディールの母)で制して重賞初制覇を果たすと、翌年にはルジェ厩舎のアスクフォーザムーンでサンタラリ賞を制してG1タイトルを獲得。この年は当時のフランス記録となる220勝を挙げて初のチャンピオンジョッキーにも輝いた。

ジョーンオブアークで仏オークスを制覇したメンディザバル騎手。(Photo by Getty Images)

 その後も2008~2010年まで3年連続してチャンピオンジョッキーの座に君臨し、2008年にはヴィジョンデタでG1仏ダービー、スピリットワンでG1アーリントンミリオン、2009年にはヴィジョンデタでG1ガネー賞を制するなど活躍。2010年代の後半からは大舞台での勝利から遠ざかっていたが、2020年のG1仏ダービーをイギリスのジョン・ゴスデン厩舎のミシュリフで制して、約6年ぶりとなるG1制覇を果たすと、G1ジャンロマネ賞もイギリスのジェームズ・ファンショー厩舎のアウダーリャで優勝。2021年もアイルランドのエイダン・オブライエン厩舎から騎乗依頼を受け、G1仏2000ギニーとG1仏ダービーをセントマークスバシリカ、G1仏オークスをジョーンオブアークで優勝。むしろフランス国外からの評価が高い印象もある。

 日本では2011年のG3ファンタジーSをアイムユアーズで優勝したほか、2008年にはワールドスーパージョッキーズシリーズを制している。

近年のG1勝ち
2021年
仏オークス(フランス):ジョーンオブアーク
仏ダービー(フランス):セントマークスバシリカ
仏2000ギニー(フランス):セントマークスバシリカ

2020年
ジャンロマネ賞(フランス):アウダーリャ
仏ダービー(フランス):ミシュリフ

文:秋山 響(TPC)