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【世界の調教師紹介 Vol.39】ニコラス・ジトー

2021年05月19日 15:00

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 アメリカの調教師。1948年2月6日、米国ニューヨーク州生まれ。アケダクト競馬場の近くで育ち、9歳頃から父に連れられて、競馬場に出かけていた(当時はルール上競馬場の中には入れず、警備員と遊んでいたという)。

 10代になるとまずホットウォーカーとして競馬場で働き始め、その後、バディー・ジェイコブソン調教師(北米勝ち鞍順で3度首位)、ジョニー・カンポ調教師(1981年の米2冠馬プレザントコロニーを管理)、そしてリロイ・ジョリー調教師(米国競馬殿堂入り)などの下で学んだ後、24歳だった1972年にわずか2頭の管理馬で独立開業。同年12月に今は廃場となったフィラデルフィア州のリバティーベルパーク競馬場で初勝利を挙げた。

 当初はクレーミングレースを軸に厩舎を経営していたが、やがてその手腕が認められ、ステップアップ。1981年にマヤネシアンでG2サンフォードSを制して重賞初制覇を果たすと、その5年後にはライドサリーでG1トムフールHを制してG1初制覇を果たした。

米三冠の完全制覇を成し遂げているN.ジトー調教師。(Photo by Getty Images)

 その後、1990年には自らがセールで選抜したサーティーシックスレッド(9万2000ドル)がG1ウッドメモリアルSを制したほか、G1ベルモントSでも2着、G1BCクラシックでも3着に健闘。ここから一気に波に乗り、翌1991年にはストライクザゴールドでG1ケンタッキーダービー初制覇を果たすと、さらにその3年後の1994年にはゴーフォージンで再びG1ケンタッキーダービーに優勝。その後も、1996年にルイカトルズでG1プリークネスS、2004年と2008年にはそれぞれバードストーンとダタラでG1ベルモントSを制しており、米三冠の完全制覇を成し遂げている。2005年には全て違う馬主でのG1ケンタッキーダービー5頭出しを実現したことでも話題となった。

 そのほか、1996年のG1ブリーダーズカップジュベナイルフィリーズを制したストームソング、2007年のG1ブリーダーズカップジュベナイルの覇者ウォーパス、2003年のG1ケンタッキーオークス馬バードタウンなどを管理。2005年には米国競馬の殿堂入りを果たしている。

近年のG1勝ち
なし

文:秋山 響(TPC)