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【世界の騎手紹介 Vol.50】グレン・ボス

2021年05月12日 15:00

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 オーストラリアを代表する名手のひとり。1969年8月21日、オーストラリア・クイーンズランド州のカブルチャー生まれ。牛や豚の牧場を営む父母の下で育った。小さい頃からポニーに跨がり、15歳の時に祖母に連れられて行ったクイーンズランド州のギンピー競馬場で競馬に魅せられ、騎手になることを決意したという。

 騎手としてのキャリアはギンピーで見習い騎手になることでスタートし、その後、同じクイーンズランド州のゴールドコーストを経て、1994年にはよりレベルの高い競馬が行われているニューサウスウェールズ州のシドニーに拠点を移動。同年にテレストでG1チッピングノートンSに優勝してG1初制覇を果たすと、翌年にはフライングスパーでG1ゴールデンスリッパーSを制した。

 その後は、香港やシンガポールで騎乗していた時期も長く、2002年にはマカオでの落馬事故で大怪我を負ったこともあったが、ヴィクトリア州のメトロポリタン(主要競馬場)におけるチャンピオンジョッキーに2012/2013年シーズンに輝くと、2015年にはオーストラリア競馬の殿堂入りを果たした。

G.ボス騎手は2003年からメルボルンC3連覇を果たした。(Photo by Getty Images)

 特に大レースでの勝負強さは一級品で、マカイビーディーヴァでは2003、2004、2005年とG1メルボルンC3連覇を果たしたほか、2008年にはシーブリングで2度目のG1ゴールデンスリッパーS勝ちをマーク。

 そのほか、G1コックスプレートはマカイビーディーヴァ(2005年)、ソーユーシンク(2009年)、オーシャンパーク(2012年)、そしてサードラゴネット(2020年)と計4勝。G1ドンカスターマイルもスプリントバイ(1996年)、プライベートスティア(2004年)、レーシングトゥウィン(2006年)、ハラダサン(2007年)、トリプルオナー(2008年)、カーマデック(2015年)、ブルータル(2019年)となんと計7勝。また、グループ格付けはないが、超高額賞金となっているジエベレストとゴールデンイーグルもそれぞれイエスイエスイエス(2019年)とコールディング(2019年)で制している。

近年のG1勝ち
2021年
タンクレッドS(オーストラリア):サードラゴネット
ジョージライダーS(オーストラリア):シンクイットオーバー

2020年
スプリントクラシック(オーストラリア):ビヴァーク
コックスプレート(オーストラリア):サードラゴネット
シドニーC(オーストラリア):イータジェームズ
オーストラリアンオークス(オーストラリア):コレット
ニューマーケットH(オーストラリア):ビヴァーク

2019年
エプソムH(オーストラリア):コールディング
ドンカスターマイル(オーストラリア):ブルータル

文:秋山 響(TPC)