アメリカのトップジョッキー。2013年から2016年までは4年連続してアメリカのチャンピオンジョッキーの座に就き、2017年には現役でありながら、アメリカ競馬の殿堂入りも果たしている。

ベネズエラ出身のカステリャーノ騎手は1977年10月23日生まれ。父もおじも騎手。弟のアベルも騎手としてアメリカでG3を勝ったことがある。

1996年に母国で初騎乗し、翌年6月にははアメリカに渡り、フロリダ中心に騎乗。同年7月にはコールダー競馬場（現在のガルフストリームパークウエスト競馬場）でアメリカにおける初勝利を挙げた。

その後、2001年にニューヨークへ拠点を移動し、同年9月にはエクソジェナスでG1ガゼルHに勝ってG1初制覇。やがてゴーストザッパーと巡り会い、G1・BCクラシック、G1ウッドワードS、G1メトロポリタンH、G1ヴォスバーグSと4つのG1を含む6つの重賞に優勝。同馬を2004年の米年度代表馬へと導いた。

米三冠初制覇は2006年にバーナーディーニで制したG1プリークネスS。同馬とのコンビではほかにG1ジョッキークラブゴールドC、G1トラヴァーズSにも優勝している。また、2017年にはクラウドコンピューティングでG1プリークネスSを制して、同レース2勝目を挙げた。

ブリーダーズカップは前記したゴーストザッパーのG1・BCクラシック、2015年にストップチャージングマリアで勝ったG1・BCディスタフなど12勝。2012年からは毎年優勝しているが、2010年にはカステリャーノ騎手の騎乗ぶりに腹を立てたカルヴァン・ボレル騎手とG3・BCマラソンのレース後のウイナーズサークルで殴り合いの喧嘩をして、その様子が全国放送されてしまった。

2013年と2015年には勝利数順でも北米トップに立っており（それぞれ362勝、344勝）、2018年10月には北米通算5000勝を記録している。

近年のG1勝ち
2020年
ベルモントオークス（アメリカ）：マジックアティチュード
ターフクラシックS（アメリカ）：デジタルエイジ
フォアゴーS（アメリカ）：ウィンウィンウィン
ダイアナS（アメリカ）：ラッシングフォール
ジェニワイリーS（アメリカ）：ラッシングフォール
アッシュランドS（アメリカ）：スピーチ
メトロポリタンH（アメリカ）：ヴェコマ
カーターH（アメリカ）：ヴェコマ

2019年
BCターフスプリント（アメリカ）：ベルヴォワールベイ
BCジュヴェナイルフィリーズ（アメリカ）：ブリティッシュイディオム
アルシバイアディーズ（アメリカ）：ブリティッシュイディオム
ヴォスバーグS（アメリカ）：インペリアルヒント
ソードダンサーS（アメリカ）：アナルズオブタイム
バレリーナS（アメリカ）：カムダンシング
セクレタリアトS（アメリカ）：ヴァリッドポイント
アルフレッドG.ヴァンダービルトH（アメリカ）：インペリアルヒント
ジャストアゲームS（アメリカ）：ラッシングフォール
ジェニワイリーS（アメリカ）：ラッシングフォール
メーカーズ46マイルS（アメリカ）：デルタプリンス
マディソンS（アメリカ）：スパイストパーフェクション
ペガサスワールドC（アメリカ）：シティオブライト

2018年
BCダートマイル（アメリカ）：シティオブライト
クイーンエリザベスⅡ世チャレンジカップS（アメリカ）：ラッシングフォール
ヴォスバーグS（アメリカ）：インペリアルヒント
サマーS（カナダ）：フォグオブウォー
トラヴァーズS（アメリカ）：カトリックボーイ
アルフレッドG.ヴァンダービルトH（アメリカ）：インペリアルヒント
ベルモントダービー（アメリカ）：カトリックボーイ

2017年
シガーマイルH（アメリカ）：シャープアステカ
BCジュヴェナイルフィリーズターフ（アメリカ）：ラッシングフォール
アルフレッドG.ヴァンダービルトH（アメリカ）：エルディール
ベルモントオークス（アメリカ）：ニューマニーハニー
ジャストアゲームS（アメリカ）：アントノー
プリークネスS（アメリカ）：クラウドコンピューティング
メーカーズ46マイルS（アメリカ）：アメリカンペイトリオット
サンタアニタH（アメリカ）：シャーマンゴースト
フランクE.キルローマイルS（アメリカ）：バルアバリ

2016年
ハリウッドダービー（アメリカ）：アナルズオブタイム
シガーマイルH（アメリカ）：コネクト
BCジュヴェナイルフィリーズターフ（アメリカ）：ニューマニーハニー
ウッドワードS（アメリカ）：シャーマンゴースト
スピナウェイ（アメリカ）：スイートロレッタ
ソードダンサーS（アメリカ）：フリントシャー
パーソナルエンスンS（アメリカ）：カヴォーティング
マンハッタンS（アメリカ）：フリントシャー
ケンタッキーオークス（アメリカ）：キャスリンソフィア

文：秋山響（TPC）