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【世界の騎手紹介 Vol.48】ジェイミー・カー

2020年12月16日 15:00

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オーストラリアを代表する女性騎手のひとり。2020/21年シーズンにはヴィクトリア州のメトロポリタンにおけるチャンピオンに女性として初めて輝いた。1995年12月7日、オーストラリア生まれで、両親はともにスピードスケートのオリンピック代表選手。

アデレード郊外で育ち、馬は常に身近な存在だった。馬術のオリンピック選手を目指しており、マウンテッドゲームズと呼ばれる乗馬スポーツで活躍して、12歳以下のオーストラリアチャンピオンに輝いたこともある。

その後、14歳でジョン・マクミラン厩舎で働き始め、やがて同厩舎の見習い騎手となり、2012年3月に騎手デビュー。同年4月7日にクレア競馬場で初勝利を挙げると、次々に白星を積み重ね、初めてシーズンを通して騎乗した2012/13年シーズンにはサウスオーストラリア州のメトロポリタンで41勝を挙げて早くもチャンピオンタイトルを獲得。その後、ヴィクトリア州のメトロポリタンでも騎乗するようになり、2014年4月にはコーフィールド競馬場のG3ヴィクトリアHをシスティンデーモンで制して重賞初制覇を果たした。

2019年にG1オーストラリアンCを勝利してG1初制覇を果たしたカー騎手。(Photo by Getty Images)

その後2015年にはオーストラリアを離れてヨーロッパで数カ月間リフレッシュした時期もあったが、帰国後2シーズン目の2016/17年シーズンに再びサウスオーストラリア州のメトロポリタンにおけるリーディングを獲得すると、翌シーズンも連覇(それぞれ53勝と63勝)。なお、2016/17年シーズンの全豪における130勝は女性騎手としての新記録で、翌シーズンにはその記録を151勝まで伸ばしている。

2019年1月にヴィクトリア州のメルボルンに拠点を移動。するといきなり単勝31倍の伏兵ハーレムでG1オーストラリアンCを制してG1初制覇。さらに9月にはG1マカイビーディーヴァSを単勝101倍のガッティングで優勝と強い存在感を発揮。2020/21年シーズンは、冒頭でも記したように、ヴィクトリア州のメトロポリタンにおけるシーズン最多勝記録となる105勝をマークしてチャンピオンタイトルを獲得。シドニーでも最重要レースのひとつであるG1ドンカスターマイルをカスカディアンで優勝した。

近年のG1勝ち
2021年
キングスフォードスミスC(オーストラリア):ベガワン
ドンカスターマイル(オーストラリア):カスカディアン
ブラックキャビアライトニング(オーストラリア):ネイチャーストリップ

2020年
トゥーラックH(オーストラリア):ミスタークイッキー

2019年
マカイビーディーヴァS(オーストラリア):ガッティング
オーストラリアンC(オーストラリア):ハーレム

文:秋山響(TPC)