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【世界の調教師紹介 Vol.34】トッド・プレッチャー

2020年10月07日 15:00

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アメリカの調教師。2004年~2007年、2010年~2015年まで計10度もアメリカのチャンピオントレーナーに輝く伯楽だ。

プレッチャー調教師はアメリカ・ダラス州テキサス出身。1967年6月26日生まれ。父ジェイクも元調教師。アリゾナ大学で馬や競馬について学ぶ(レーストラックインダストリープログラム)かたわら、ウェイン・ルーカス調教師、チャーリー・ウィッティンガム調教師といったビッグネーム(ともに殿堂入りの調教師)の下で修行を積み、大学卒業と同時にルーカス調教師の下で働き始めた。その後、アシスタントトレーナーを経て、1995年12月に調教師免許を取得して自身の厩舎を開業。現在は200頭を超える管理馬をニューヨーク州やフロリダ州など複数の州に分けて調教しているが、開業時の管理馬はわずか7頭だった。

G1初制覇はジャージーガールで制した1998年6月のG1エイコーンS。ジャージーガールはこの後G1マザーグースS、G1テストSとG1を3連勝した。

一気にブレイクしたのは2004年。G1・BCディスタフとG1ケンタッキーオークスをアシャド、G1・BCスプリントをスパイツタウンで制すなどこの年はG1・6勝。初めて米チャンピオントレーナーの座にも就いた。

ケンタッキーダービーを2017年に初勝利、計2度制しているプレッチャー調教師。(Photo by Getty Images)

2007年にはG1ベルモントSを牝馬のラグズトゥリッチズで制して米三冠レース初勝利。このレースの牝馬による優勝は102年ぶりの快挙だった。長くG1ケンタッキーダービーに勝てていなかったが、2012年にスーパーセーヴァーで初制覇。延べ25頭目の出走での栄冠だった。なお、その後、2017年にもオールウェイズドリーミングで優勝しており、現在はケンタッキーダービー2勝。ベルモントSも2013年パレスマリス、2017年タップリットで勝ち、計3勝としている。また、2019年には古馬最高峰のG1・BCクラシックをヴィーノロッソで制している。

2014年には師匠であるルーカス調教師を抜いて北米歴代収得賞金ランキングの首位に浮上。現在もその座にある。

近年のG1勝ち
2020年
フォースターデイヴH(アメリカ):ハラデー

2019年
BCクラシック(アメリカ):ヴィーノロッソ
ゴールドカップアットサンタアニタS(アメリカ):ヴィーノロッソ

2018年
マンノウォーS(アメリカ):ハイハッピー
アーカンソーダービー(アメリカ):マグナムムーン
アップルブロッサムH(アメリカ):アンブライドルドモー
カーターH(アメリカ):アーミーミュール
フロリダダービー(アメリカ):オーディブル

2017年
ベルモントS(アメリカ):タップリット
ケンタッキーダービー(アメリカ):オールウェイズドリーミング
メイカーズ46マイルS(アメリカ):アメリカンペイトリオット
フロリダダービー(アメリカ):オールウェイズドリーミング

2016年
ファーストレディS(アメリカ):フォトコール
ジョーハーシュターフクラシック(アメリカ):エクト
スピナウェイS(アメリカ):スイートロレッタ
マザーグースS(アメリカ):オフザトラックス
ラトロワンヌS(アメリカ):カラライナ
ウッドメモリアルS(アメリカ):アウトワーク
ドンH(アメリカ):エムシャウィッシュ

文:秋山響(TPC)