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【世界の調教師紹介 Vol.36】リチャード・マンデラ

2020年12月23日 15:30

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2001年に米競馬殿堂入りを果たしたリチャード・マンデラ調教師は1950年11月5日、カリフォルニア州生まれ。父は装蹄師。息子のゲイリーも調教師(テーストオブパラダイスで2005年のG1ヴォスバーグS優勝。日本産馬サイレントネームで重賞2勝)。

高校時代から牧場で働き、その後ニューヨークのレフティ・ニッカーソン厩舎でのアシスタント、ロジャー・ブラウ氏の専属調教師などを経て、1976年にカリフォルニアでパブリックな厩舎をオープンさせた。

それまでも、管理馬2頭による同着で優勝した1990年のG1ベヴァリーヒルズHなどで注目を浴びていたが、大きくその名を轟かせたのはG1・BCターフをコタシャーン、G1・BCジュヴェナイルフィリーズをフォーンチャッターで制した1993年。なお、コタシャーンはその後に向かったジャパンCで鞍上K.デザーモ騎手のゴール板誤認もあってレガシーワールドの2着に終わったが、それまでの活躍が認められて米年度代表馬のタイトルを得た。

若い頃のマンデラ調教師。(Photo by Getty Images)

この年を上回る大活躍となったのがその10年後の2003年。G1・BCクラシックをプレザントリーパーフェクト、G1・BCターフをジョハー、G1・BCジュヴェナイルをアクションディスデイ、G1・BCジュヴェナイルフィリーズをハーフブライドルドで優勝。当時はまだ1日で争われ、8つしかなかったブリーダーズカップのG1のうち、半数までを制すという快挙を成し遂げた。

そのほか、サイフォン、サンドピット、ジェントルメン(この3頭で1997年のG1サンタアニタH1~3着)など南米出身馬でのビッグレース制覇も特筆に値するが、近年では何といってもビホルダーの活躍が印象的。ビホルダーはG1・BCディスタフ2回(2013、2016年)、G1・BCジュヴェナイルフィリーズ(2012年)など11のG1に優勝。米最優秀2歳牝馬、3歳牝馬、古牝馬2回と計4度もエクリプス賞に輝いた。

近年のG1勝ち
2020年
なし

2019年
マリブS(アメリカ):オマハビーチ
サンタアニタスプリント選手権S(アメリカ):オマハビーチ
アーカンソーダービー(アメリカ):オマハビーチ

2018年
なし

2017年
ロデオドライブS(アメリカ):アベンジ
ゼニヤッタS(アメリカ):パラダイスウッズ
シューメーカーマイルS(アメリカ):バルアバリ
サンタニタオークス(アメリカ):パラダイスウッズ
フランクE.キルローマイルS(アメリカ):バルアバリ

2016年
BCディスタフ(アメリカ):ビホルダー
ロデオドライブS(アメリカ):アベンジ
ヴァニティマイルS(アメリカ):ビホルダー

文:秋山響(TPC)