【香港スプリント】勝つのは香港勢か、精鋭揃いの日本馬か? 香港スプリント近5年のレース傾向

2021年12月09日 16:56

 昨年はダノンスマッシュが勝利し、2013年のロードカナロア以来、7年ぶりの日本馬による優勝を飾った香港スプリント。JRAで馬券発売が開始された2016年以降近5年のデータを中心に、レース傾向を探っていく。

 表1は香港スプリント近5年の3着以内馬一覧。日本馬で好走したのは昨年勝利したダノンスマッシュのみ。他の14頭はすべて地元の香港勢が占めている

 香港馬では17年・18年連覇のミスタースタニング、同年2年連続2着のディービーピン、18年3着で19年に優勝したビートザクロックなど、リピーターが目立つのが香港スプリントの特徴だ

 年齢では16年に勝利した8歳馬エアロヴェロシティ、昨年2着の9歳馬ジョリーバナーなど高齢馬も侮れない。5歳馬は毎年1頭は3着以内に入っている

 人気では1番人気馬の勝利は17年ミスタースタニングのみ。のべ【1.0.1.3】で、安定味に欠ける結果となっている。以下、2番人気馬が2勝、3・4番人気馬が1勝ずつ。勝ち馬は上位4番人気以内におさまっているものの、2・3着は伏兵の激走が目立つ。昨年は2着に13番人気ジョリーバナー、3着に7番人気ラタンが入り、3連単284万6700円の大波乱となった。

 ゲート番では3番の馬が【1.1.1.2】で、複勝率60%と優秀だ。また昨年は大外のダノンスマッシュが勝利するなど、10番ゲートより外の馬が3頭好走している。

 表2は3着以内馬の前走レース成績。前哨戦のジョッキークラブスプリント組が一昨年のビートザクロックら4勝をあげ、3着以内数12回と大半を占めている。

 ジョッキークラブスプリント組の中で前走1着馬は1勝、3着1回と好走が少ない。前走2着馬は1勝、2着2回。注目は前走3着馬で、2勝をあげており、毎年3着以内に入っている。これら前走3着以内馬が12頭中10頭と多く、上位に入った馬は要注目だ。

 スプリンターズS組は昨年優勝のダノンスマッシュ、17年3着ブリザードの2頭が好走。ともに前走5着以内に入っていた。

 表3は過去10年で3着以内に好走した日本馬と今年の出走予定馬3頭。過去に好走した4頭はいずれも前走スプリンターズSで連対を果たしていた。

 スプリンターズSで2馬身差の快勝を決めたピクシーナイト。今夏からスプリント路線にシフトし、3戦すべて連対している。父は香港で3戦3勝と無類の強さを誇ったモーリス。初の海外遠征だが、伸び盛りの3歳馬でいきなり勝利してもおかしくない。

 ダノンスマッシュはスプリンターズSでは6着に敗退。4月のチェアマンズスプリントも6着と敗れたが、今回は一叩きされて状態が上がっていれば連覇の期待がかかる。

 レシステンシアはスプリンターズSで2着。今春の高松宮記念でも2着と好走しており、持ち前の先行力は非凡なものがある。スムーズに先行できれば、粘り込みも十分だ。

 精鋭が揃った日本馬に対する地元香港勢のマークは厳しくなるだろう。日本馬の2連覇か、香港馬の王座奪還か、激しく面白いレースになりそうだ。