ダービーの開催場として知られる“競馬の聖地”。ロンドンの南南西約30km、空の玄関口であるヒースロー空港から20kmほどの位置にある。
ピューリタン革命によるコモンウェルス(1649~1660年)では競馬が禁止されていたが、チャールズ2世が王政復古により即位すると、1661年3月7日にさっそくレースを開催した。これがエプソムダウンズにおける初の競馬開催と伝えられている。
1730年から5月と10月に競馬が定期開催されるようになり、1779年5月14日には第12代ダービー伯爵により3歳牝馬を集めた2400mのレース(オークス)を施行。大成功を受けて牡馬も出走可能なレースの追加が計画され、翌年に施行されたものがダービーと名付けられた。
ちなみに、オークスはレースが発案されたダービー伯爵の別荘にちなんだ名称で、第1回の勝ち馬も伯爵所有のブリジット。ダービーの名称はジョッキークラブ会長のチャールズ・バンバリー卿にちなんだ「バンバリー・ステークス」との二者択一で、コイントスの結果、ダービー伯爵が命名権を手にしたという。コイントスに敗れたバンバリー卿だが、所有馬のダイオメドで第1回ダービーを制し、その名を競馬史に刻むこととなった。