詳細な記録こそ残されていないものの、イギリスの植民地政策下にあった香港における競馬の興りは早く、1847年にはハッピーヴァレー競馬場が開設。シャティン競馬場はそれに後れること130年余りの1978年に開場した。
シャティン開場前の1975年5月には英国女王エリザベス2世の訪問を受け、ハッピーヴァレーで第1回クイーンエリザベス2世Cが行われたが、1986年10月22日の再訪問時はシャティンで同レースを施行。1988年1月24日にマレーシアとシンガポールの競馬統括団体であるマラヤ競馬協会の所属馬を招いた香港招待C(芝1800m=後の香港C)が初開催されるなど、シャティンは香港における競馬の国際舞台として発展を遂げていった。
その後は1991年に香港マイルの前身である香港招待ボウル(芝1400m)が創設され、1994年の香港国際ヴァーズ(芝2400m)など次々とレースを新設。年末に1200mから400m刻みで4つのG1を同日開催する香港国際競走のプログラムを完成させた。また、2001年にクイーンエリザベス2世C、2007年にはチャンピオンズマイルが国際G1に昇格するなど、21世紀を迎えてシーズン後半(香港では年明け以降)のレースも充実。近年はチェアマンズスプリントプライズやスチュワーズC、ゴールドCなど5レースが国際G1に昇格し、アジア圏での存在感を飛躍的に増している。