アメリカ南部、フロリダ州マイアミの北方30kmほどに位置にガルフストリームパーク競馬場がオープンしたのは1939年2月1日のこと。開業当日はフィギュアスケートでオリンピック3連覇を果たした後、女優としても成功したソニア・ヘニーを招いてテープカットを行うなど、派手な演出で1万8000人の観衆を集める大盛況だった。しかし、翌日から集客もままならなくなり、4日目には経営破綻の憂き目を見る。
しかし、債権者の一人であるジェームズ・ドンSr.が1944年12月1日に競馬場を再開。経営を軌道に乗せると、今やケンタッキーダービーの前哨戦として最重要レースの1つに位置づけられるフロリダダービーを創設(1952年)するなど、北米競馬界における地位を確立していった。
1959年には芝コースを増設するとともに、競馬場再建に尽力したドンSr.ら一族の功績を記念してドンハンデキャップを新設。4歳以上を対象に1月下旬ないし2月上旬に施行され、近年はドバイワールドCを狙う北米馬の前哨戦として存在感を発揮している。なお、現在の競馬場運営会社であるストロナックグループが、世界最高賞金(約12億円)のペガサスワールドC創設を発表。ドンハンデキャップを新装する形で、第1回は2017年1月28日の開催が予定されている。