08/29 13:26
名馬ドバイミレニアム、英競馬殿堂入り
プロフィール
第1回ドバイWCが開催されてから数々の名馬がその名を刻んできたが、中でもインパクトのある勝ち方を披露したのは2000年の優勝馬・ドバイミレニアムだろう。ミレニアムという名前が入った馬が、ミレニアムイヤーのドバイWCを勝つとは出来すぎだと言う人もいるだろうが、この馬に関して言えばドバイのモハメド殿下が2000年のドバイWCを勝てるという期待を込めて名付け育てたのだから、偶然ではなく必然だと言うこともできるかもしれない。
ドバイミレニアムは2歳の10月に英国で迎えたデビュー戦を5馬身差で圧勝、2歳時の競走を終えると、3歳時は5月から始動し条件戦を9馬身差、続く準重賞を3馬身半差で危なげなく勝利。その後、3歳時の目標でもあった英ダービーへ出走することになるが、レース本番では9着に大敗。以後、陣営はマイルから2000mを主戦場としたローテーションを組むことにした。
すると7月にはフランスのウジェーヌアダム賞で重賞初勝利。続いてジャックルマロワ賞で初G1制覇を達成すると、秋には英国のマイル王決定戦ともいえるクイーンエリザベス2世Sに出走。僅か4頭立ての少頭数だったが、レースでは圧倒的な強さを見せつけ、2着馬に6馬身差を付けて勝利をあげ、この距離では敵なしだということを知らしめた。その後、陣営は2000年のドバイWCを目指すことを公言。ミレニアムイヤーのドバイWCへ向け調整が始まった。
4歳初戦はドバイWCの前哨戦であるアルマクトゥームチャレンジラウンド3へ出走。初ダートという不安要素はあったが、芝同様の圧倒的な強さを見せつけ、2着のリアスピアーに4馬身1/2差を付けての快勝劇。ドバイWCへ向けて視界が開けた。
そして迎えた大一番のドバイWC。米国からベーレンズやランニングスタッグ、香港からはJC2着のインディジェナス、日本からはワールドクリークが参戦した。レースは好スタートを切ったドバイミレニアムが逃げる形で幕を開ける。序盤から飛ばしたドバイミレニアムに後続勢は付いていくのがやっと。そのまま4コーナーを回って直線に入ると、さらに後続との差は広がった。中団から追い込んだベーレンズも素晴らしい末脚を見せたが、ドバイミレニアムの影さえ踏むことが出来ない。最後はゴール100m手前からデットーリ騎手がガッツポーズを繰り出す余裕さえある中で、2着馬に6馬身差を付けゴール。しかも勝ち時計は1分59秒5という驚異のレコードタイムだった。
まさにモハメド殿下の目論見通りにミレニアムイヤーのドバイWCを制したドバイミレニアム。この後は芝のレースに戻り、プリンスオブウェールズSを8馬身差で勝利。芝、ダートを問わずに1600~2000mでは無類の強さを見せつけた。
その後、4歳秋の調教中に右後脚大腿骨を骨折してしまい、手術は成功したものの引退を表明。種牡馬となるも、1年目の種付け後に病を患い5歳の若さで急逝した。救いはドバウィなどの産駒を残してこの世を去ったことだ。彼が残した功績と衝撃は語り継がれ、ドバイWC史上最強との呼び声も高く、その名は未だに色褪せることはない。
生年 | 1996 |
---|---|
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
父 | Seeking The Gold |
母 | Colorado Dancer |
母父 | Shareef Dancer |
調教師 | S.ビン・スルール |
生産者 | Sh Mohd bin Rashid Al Maktoum |
馬主 | ゴドルフィン |
通算成績 | 10戦9勝[9-0-0-1] |
開催日 | 場所 | レース名 | 動画 | 着順 | 騎手 | トラック | 距離 | 馬場状態 |
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2000/06/21 | アスコット | プリンスオブウェールズステークス(G1) | 1 | J.ベイリー | 芝 | 2000 | 良 | |
2000/03/25 | ナドアルシバ | ドバイワールドカップ(G1) | 1 | L.デットーリ | ダート | 2000 | 良 | |
2000/03/02 | ナドアルシバ | アルマクトゥームチャレンジラウンド3(L) | 1 | L.デットーリ | ダート | 2000 | 良 | |
1999/09/26 | アスコット | クイーンエリザベス2世ステークス(G1) | 1 | L.デットーリ | 芝 | 1600 | 不良 | |
1999/08/15 | ドーヴィル | ジャックルマロワ賞(G1) | 1 | L.デットーリ | 芝 | 1600 | 重 | |
1999/07/18 | メゾンラフィット | ウジェーヌアダム賞(G2) | 1 | L.デットーリ | 芝 | 2000 | 良 | |
1999/06/05 | エプソム | 英ダービー(G1) | 9 | L.デットーリ | 芝 | 2410 | 良 | |
1999/05/18 | グッドウッド | プレドミネイトステークス(L) | 1 | L.デットーリ | 芝 | 2000 | 良 | |
1999/05/03 | ドンカスター | 条件戦 | 1 | L.デットーリ | 芝 | 1600 | 良 | |
1998/10/28 | ヤーマス | 未勝利戦 | 1 | L.デットーリ | 芝 | 1600 | 重 |
距離 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
~1400m | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0% | 0% | 0% |
1401m~1800m | 4 | 0 | 0 | 0 | 4 | 100% | 100% | 100% |
1801m~2100m | 5 | 0 | 0 | 0 | 5 | 100% | 100% | 100% |
2101m~ | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0% | 0% | 0% |
馬場状態 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
良馬場 | 6 | 0 | 0 | 1 | 7 | 86% | 86% | 86% |
稍重馬場 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0% | 0% | 0% |
重馬場 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 100% | 100% | 100% |
不良馬場 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100% | 100% | 100% |