プロフィール
米競馬史上最強の短距離馬と評されるドクターフェイガー。圧倒的なスピードとパワーで生涯22戦18勝の戦績を築き上げたが、強さの証は敗北を喫した4戦に凝縮されている。
ドクターフェイガーが活躍した1960年代後半は半世紀余りも昔だが、引退を間近に控えたワシントンパークHでマークした1分32秒2は、いまだにダート1マイルの世界記録として破られていない。しかも134ポンド(約60.8kg)ものハンデを負担し、2着馬には10馬身差をつけた結果。もっとタイムを短縮できる可能性さえあった。この年のドクターフェイガーは全8戦を130ポンド(約59kg)以上の斤量で戦い、引退戦では139ポンド(約63.5kg)ものハンデを克服。8戦7勝で米史上唯一となる同一年4部門受賞(年度代表馬、最優秀古牡馬、最優秀短距離牡馬、最優秀芝牡馬)を成し遂げた。
そして、この最速馬に先着できた馬は3頭しかいない。2頭は後の殿堂入り馬で、残りの1頭も2歳王者になっている。
初黒星は2歳時のデビュー5戦目に喫した。シャンペンSでのドクターフェイガーはラビットを用意した陣営の術中にはまり、激しく競り合った末に2着。援護を得て勝利したサクセッサーは2歳王者に輝いたものの、後の評価は「ドクターフェイガーに先着した馬」という、負かしたはずの相手に名を借りるものとなった。
3歳時の2敗のうち、ジャージーダービーは他馬にかみついたことによる降着処分。後続に6馬身半差をつけて1位入線しており、処分について現在も議論の的となっている。また、“世紀の一戦”と呼ばれたウッドワードSではダマスカスとバックパサーの後塵を拝したが、不利な2000mに加えて両陣営が用意したラビットに競り込まれた。ダマスカスには4歳時も2000mで敗れたが、相手は5ポンド(約2.3kg)軽いハンデの上にラビットの援護付き。ラビットなしのダマスカスには2勝しており、対戦成績はイーブンだ。
ドクターフェイガーは引退直前のユナイテッドネーションズHで生涯唯一の芝レースに参戦。当時、マンノウォーSと並ぶ芝の大レースで約10kg軽いハンデの馬を相手に激闘を制し、この1勝だけで最優秀芝牡馬のタイトルをものにした。
引退後に種牡馬入りしたドクターフェイガーは、1976年に腸捻転により12歳の若さで命を落としたが、その年のリーディングサイアーとなるなど種牡馬としても大成功。1971年には米競馬殿堂入りを果たした。
生年 | 1964 |
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性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
父 | Rough'n Tumble |
母 | Aspidistra |
母父 | Better Self |
調教師 | J.ネルド |
生産者 | Tartan Farms Corp |
馬主 | Tartan Stable |
通算成績 | 22戦18勝[18-2-1-1] |
開催日 | 場所 | レース名 | 動画 | 着順 | 騎手 | トラック | 距離 | 馬場状態 |
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1968/11/02 | アケダクト | ヴォスバーグハンデキャップ | 1 | B.バエザ | ダート | 1400 | 良 | |
1968/09/11 | アトランティックシティ | ユナイテッドネーションズハンデキャップ | 1 | B.バエザ | 芝 | 1900 | 良 | |
1968/08/24 | アーリントンパーク | ワシントンパークハンデキャップ | 1 | B.バエザ | ダート | 1600 | 良 | |
1968/08/03 | サラトガ | ホイットニーステークス | 1 | B.バエザ | ダート | 1800 | 良 | |
1968/07/20 | アケダクト | ブルックリンハンデキャップ | 2 | W.シューメイカー | ダート | 2000 | 良 | |
1968/07/04 | アケダクト | サバーバンハンデキャップ | 1 | B.バエザ | ダート | 2000 | 良 | |
1968/05/18 | ハリウッドパーク | カリフォルニアンステークス | 1 | B.バエザ | ダート | 1700 | 良 | |
1968/05/04 | アケダクト | ローズベンハンデキャップ | 1 | J.ロッツ | ダート | 1400 | 良 | |
1967/11/07 | アケダクト | ヴォスバーグハンデキャップ | 1 | B.バエザ | ダート | 1400 | 良 | |
1967/10/21 | ホーソーン | ホーソーンゴールドカップ | 1 | B.バエザ | ダート | 2000 | 良 | |
1967/09/30 | アケダクト | ウッドワードステークス | 3 | W.ボランド | ダート | 2000 | 良 | |
1967/09/02 | ロッキンガム | ニューハンプシャースウィープステークス | 1 | B.バエザ | ダート | 2000 | 良 | |
1967/07/15 | ロッキンガム | ロッキンガムスペシャルステークス | 1 | B.バエザ | ダート | 1800 | 良 | |
1967/06/24 | アーリントンパーク | アーリントンクラシックステークス | 1 | B.バエザ | ダート | 1600 | 不良 | |
1967/05/30 | ガーデンステート | ジャージーダービー | 4 | M.イカサ | ダート | 1800 | 良 | |
1967/05/13 | アケダクト | ウィザーズステークス | 1 | B.バエザ | ダート | 1600 | 良 | |
1967/04/15 | アケダクト | ゴッサムステークス | 1 | M.イカサ | ダート | 1600 | 良 | |
1966/10/15 | アケダクト | シャンペンステークス | 2 | W.シューメイカー | ダート | 1600 | 良 | |
1966/10/05 | アケダクト | カウディンステークス | 1 | W.シューメイカー | ダート | 1400 | 稍重 | |
1966/09/10 | アトランティックシティ | ワールズプレイグラウンドステークス | 1 | M.イカサ | ダート | 1400 | 良 | |
1966/08/13 | サラトガ | 条件戦 | 1 | D.ヒダルゴ | ダート | 1200 | 良 | |
1966/07/15 | アケダクト | 未勝利戦 | 1 | D.ヒダルゴ | ダート | 1100 | 良 |
距離 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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~1400m | 7 | 0 | 0 | 0 | 7 | 100% | 100% | 100% |
1401m~1800m | 7 | 1 | 0 | 1 | 9 | 78% | 89% | 89% |
1801m~2100m | 4 | 1 | 1 | 0 | 6 | 67% | 83% | 100% |
2101m~ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0% | 0% | 0% |
馬場状態 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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良馬場 | 16 | 2 | 1 | 1 | 20 | 80% | 90% | 95% |
稍重馬場 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100% | 100% | 100% |
重馬場 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0% | 0% | 0% |
不良馬場 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 100% | 100% | 100% |