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  • ミエスク

プロフィール

ミエスクは現役時代にG1レース10勝を含む16戦12勝、着外なしのほぼ完ぺきな戦績で1980年代の欧米マイル路線に君臨する一方、繁殖入り後も名種牡馬となるキングマンボをはじめ、現在の競馬界に大きな影響を与える子孫を数多く残した。競走馬としても繁殖牝馬としても歴代屈指の成功を収めた名牝として知られている。

ギリシャの海運王スタブロス・ニアルコス氏が所有するフラックスマンホールディングスの自家生産馬として米国ケンタッキー州で生まれたミエスクは、フランスの名伯楽F.ブータン調教師の下へ送られて競走馬としてのキャリアをスタートした。

その能力はデビュー当初から目を引くものがあり、2歳8月のデビュー戦を快勝すると、2週後にはG1モルニー賞に挑戦。経験不足もあり3着に敗れはしたが、これが生涯最悪の着順となる。1か月後のG1サラマンドル賞では牡馬たちを破って重賞初制覇を飾り、さらに2週後のマルセルブーサック賞も制してG1連勝。この連勝によりモルニー賞で敗れた相手にも雪辱し、フランスの2歳チャンピオンに輝いた。

半年の休養から復帰した明け3歳は始動戦のリステッドを快勝。この先は全てG1レースという最高峰の道を突き進むことになる。次戦の英1000ギニーでは進路の確保に手間取りながらも一気に弾ける鮮やかな差し切り。帰国すると仏1000ギニーも重馬場を最後方から突き抜け、40年ぶりとなる英仏1000ギニー制覇の偉業を成し遂げた。

続く仏オークスは距離が長く2着に完敗するも、勝者は後に英愛チャンピオンSを勝つインディアンスキマーという超ハイレベルな一戦だった。その後は1マイルに距離を戻し、前年からニアルコス家のフレネイ・ル・ビュファール牧場がスポンサーとなったジャックルマロワ賞で古馬に挑むと3馬身差で圧勝。さらにムーランドロンシャン賞も連勝してフランスのマイル路線を制圧する。

ライバルたちを一刀両断に斬り捨てる圧倒的な末脚で現役最強マイラーへの階段を駆け上がっていたミエスクだが、続く英国のクイーンエリザベス2世Sでは用意したペースメーカーに大逃げを打たせるライバル陣営の作戦に苦杯。良馬場で唯一の黒星を喫することになった。

それでも、次戦でアメリカのBCマイルに遠征すると、ハリウッドパーク競馬場のトラックレコードをマークして3馬身1/2差の圧勝。3歳牝馬にして英仏米のG1レースを計5勝し、この1987年は英仏で最優秀3歳牝馬とチャンピオンマイラー、アメリカのエクリプス賞でも最優秀芝牝馬に選出された。

4歳も現役を続けたミエスクは前年と同様に半年の休養から5月末のイスパーン賞で復帰。道悪に加えて直線半ばまで包まれる不利を克服し、ゴール間際の逆転劇で短クビ差の勝利を収める。次戦のジャックルマロワ賞は後に種牡馬として日本でも活躍するウォーニングやソヴィエトスターらに完勝して連覇を達成したが、続くムーランドロンシャン賞では抜け出すスペースがなく、ソヴィエトスターを捕らえ切れずにアタマ差で惜敗した。

その後はBCマイルで引退レースに臨むと、中団から4馬身抜け出す圧勝劇で10度目のG1制覇。1984年創設のBCで連覇を達成した最初の競走馬となって有終の美を飾り、2年連続の英仏チャンピオンマイラーとエクリプス賞の最優秀芝牝馬を受賞して繁殖入りした。

米国で新たな生活に移ったミエスクは、1999年には米競馬殿堂入り。繁殖牝馬としても現役時代に勝るとも劣らぬ優秀さを見せ、2011年に老衰で亡くなるまで14頭の産駒を残すなど子出しが抜群に良く、その中でも初仔のキングマンボと2番仔のイーストオブザムーンはそれぞれG1レースを3勝した。

また、日本に与えた影響、つながりの強さにも特筆すべきものがあり、キングマンボは種牡馬としても大成功すると、産駒のエルコンドルパサーとキングカメハメハは日本で大ブレーク。前者は日本調教馬による海外遠征の旗手となる一方、後者は現在の日本競馬に欠かせない血を残した。さらに、日本に送られた4番仔ムーンイズアップの系統でミエスクの曽孫カラコンティはBCマイルなどG1レース3勝。12番仔セカンドハピネスがディープインパクトとの間に産んだスタディオブマンは仏ダービー馬となり、5番仔の系統からはリアルスティールとラヴズオンリーユーのG1兄妹も誕生するなど、ミエスクの遺伝子は今なお世界に広がり続けている。

基本情報

生年 1984
性別
毛色 鹿毛
Nureyev
Pasadoble
母父 Prove Out
調教師 F.ブータン
生産者 Flaxman Holdings Limited
馬主 Flaxman Holdings Ltd
通算成績 16戦12勝[12-3-1-0]

競走成績

開催日 場所 レース名 動画 着順 騎手 トラック 距離 馬場状態
1988/11/05 チャーチルダウンズ ブリーダーズカップマイル(G1) 1 F.ヘッド 1600 稍重
1988/09/04 ロンシャン ムーランドロンシャン賞(G1) 2 F.ヘッド 1600
1988/08/14 ドーヴィル ジャックルマロワ賞(G1) 1 F.ヘッド 1600
1988/05/29 ロンシャン イスパーン賞(G1) 1 F.ヘッド 1850
1987/11/21 ハリウッドパーク ブリーダーズカップマイル(G1) 1 F.ヘッド 1600
1987/09/26 アスコット クイーンエリザベス2世ステークス(G1) 2 S.コーセン 1600
1987/09/06 ロンシャン ムーランドロンシャン賞(G1) 1 F.ヘッド 1600 稍重
1987/08/16 ドーヴィル ジャックルマロワ賞(G1) 1 F.ヘッド 1600
1987/06/14 シャンティイ 仏オークス(G1) 2 F.ヘッド 2100
1987/05/17 ロンシャン 仏1000ギニー(G1) 1 F.ヘッド 1600
1987/04/30 ニューマーケット 英1000ギニー(G1) 1 F.ヘッド 1600
1987/04/03 メゾンラフィット アンプリュダンス賞(L) 1 F.ヘッド 1400 不良
1986/10/05 ロンシャン マルセルブーサック賞(G1) 1 F.ヘッド 1600
1986/09/21 ロンシャン サラマンドル賞(G1) 1 F.ヘッド 1400 稍重
1986/08/24 ドーヴィル モルニー賞(G1) 3 F.ヘッド 1200
1986/08/09 ドーヴィル 条件戦 1 F.ヘッド 1200

距離別

距離 1着 2着 3着 4着以下 出走回数 勝率 連対 3着内率
~1400m 3 0 1 0 4 75% 75% 100%
1401m~1800m 8 2 0 0 10 80% 100% 100%
1801m~2100m 1 1 0 0 2 50% 100% 100%
2101m~ 0 0 0 0 0 0% 0% 0%

馬場状態別

馬場状態 1着 2着 3着 4着以下 出走回数 勝率 連対 3着内率
良馬場 7 1 0 0 8 88% 100% 100%
稍重馬場 3 0 0 0 3 100% 100% 100%
重馬場 1 2 1 0 4 25% 75% 100%
不良馬場 1 0 0 0 1 100% 100% 100%
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