プロフィール
豪州・ニュージーランドの名馬といえばブラックキャビア、ウィンクスなどが有名だが、サンラインもオセアニア競馬史に燦然と輝く歴史的名牝だ。
20世紀から21世紀を股にかけて旋風を巻き起こしたサンラインは、1998年にニュージーランドでデビュー。主戦場を豪州に移しても勢いは止まらず、無傷の7連勝で豪州G1制覇(フライトS)を成し遂げた。その後、MRC1000ギニーを目指すも故障により断念し、ニュージーランドに戻って4か月の休養。復帰初戦は勝利したものの、豪州に戻ったG2で2着に終わり、デビューからの連勝は8でストップした。
それでも再び重賞連勝を収めたサンラインは、G1ドンカスターHで2度目のG1制覇。古馬の強豪が顔を揃えた豪G1クイーンエリザベスSに参戦したが、先行策も直線で脚が止まって5着に敗れ、2度目の黒星を喫して3歳シーズンを終えた。
古馬シーズン前半は勝利からやや見放されたサンラインに対し、ファンの評価も次第に下降する。それでも、やや距離が長いと思われたG1コックスプレートでは、ハイペースで逃げても脚色が衰えることなく先頭でゴール板を駆け抜け、豪州有数のビッグタイトルを獲得。次走のG2も勝利したサンラインは香港Cに参戦したが、初のオセアニア以外への輸送による体調不良も重なって7着に惨敗した。
翌2000年も勝利を積み重ねたサンラインは、見事にコックスプレートを連覇。年末には再び香港へ旅立ち、今回は得意距離の香港マイルへ参戦した。同年の安田記念を制したフェアリーキングプローンなど地元の強豪も同レースに出走したが、サンラインはスタートから果敢に飛ばすと、最後はフェアリーキングプローンの猛追を僅差でしのいで優勝。2度目の挑戦で実力を証明し、遠い異国でもその名を轟かせた。
2001年にはドバイに挑戦したが、ドバイデューティーフリーで3着。その後は地元での戦いに徹したサンラインは、コックスプレート3連覇の偉業は逃したものの(2着)、さらに4つのG1タイトルを獲得した。同馬が7歳で現役を退くまで積み重ねた重賞勝利は27、獲得賞金でも当時の世界最高額を記録し、豪州・ニュージーランド両国で殿堂入りを果たしている。