プロフィール
フランスを代表する女性騎手。2019年には札幌競馬場で行われたワールドオールスタージョッキーズに初参戦し、3番人気のスワーヴアラミスを勝利に導く活躍を見せた。
ミカエル・ミシェル騎手はフランス南部ヴァール県のイエール出身。競馬とは縁のない家庭で育ったが、9歳の頃から乗馬を始め、やがてマルセイユの競馬学校に入学。騎手への道をスタートさせた。
初勝利は2014年9月6日。フランス東部のヴスール競馬場において、サンタルナに騎乗して芝2100m戦に勝ったものだった。
その後は落馬負傷で約1年半も戦線離脱を余儀なくされるなどしたこともあったが、2017年になってシャンティイのD.スマガ調教師に師事し、その後ミシェル騎手の才能を認めるF.スパニュ元騎手がエージェントにつくようになると状況が好転。さらに2017年3月からフランスで女性騎手に対する2キロの減量がスタートしたこと(重賞、リステッドなどの大レースを除いたほとんどのレースが対象。2018年3月からは1.5キロに変更)も非常に大きな追い風となり、この年は17勝(203戦)を挙げた。
ミシェル騎手の名が世界に轟いたのは2018年。冬の間のカーニュシュルメール競馬場(南仏)の開催リーディングを女性として初めて獲得すると、3月末頃まではフランスのリーディング争いのトップに君臨。最終的にはフランスにおける女性騎手による最多勝記録を13勝も更新する72勝(804戦)をマークして、ランキングでは全体の12位に入るなど大きく飛躍した。
2019年は5月末に騎乗馬から頭突きを受けて顔面を負傷するアクシデントで1か月ほど戦線を離脱するなど少し伸び悩んでいたが、7月上旬に復帰すると、冒頭で記したように日本でも初勝利を挙げるなど上昇気流に乗り、2020年には南関東で30勝を挙げて、南関東における短期免許取得外国人騎手の最多勝記録を更新。さらに7月13日にはイタリアのG3カルロダレッシオ賞(芝2400メートル)をドイツからの遠征馬ヴェルデルベで制覇。自身初となる重賞勝ちを果たしている。
文:秋山 響(TPC)