武豊騎手、凱旋門賞制覇を「改めて強く、諦めない」
2018年10月08日 16:34
現地7日に仏パリロンシャン競馬場で行われたG1凱旋門賞(芝2400m)で、日本から参戦したクリンチャー(牡4歳、宮本博厩舎)は17着に終わった。レース後、騎乗した武豊騎手が報道陣の取材に応え、今回の凱旋門賞を振り返った。
武豊騎手のコメント
――良いスタートを切って、良い位置を取れたと思いますが?
「そうですね。1番枠になった時点である程度レースを想定できていたので、ポジションは取りたいポジションを取れました。道中の感じも悪くなかったですし、良い形でレースを進められたと思います」
――直線を向いてどうだったか?
「フォルスストレートの直線を向かう手前から、やはり周りと比べると手応えの差がありました。特に隣がエネイブルだったので…、もう尻尾でも掴もうかと思うくらいでした。最後は一杯一杯でしたね。やはり(相手が)強いなと」
――フォワ賞を使ってクリンチャーの状態は?
「前回よりすごく良かったですし、ベストの状態でレースに挑めたと思います」
――結果は残念だった
「そうですね。ある程度は苦戦も覚悟していましたけど、ひょっとしてという気持ちもありました。思い切って乗ったんですが、跳ね返された感じです。でも、この舞台に来ないとそういうことも体験できないですから、毎年この場にいたいなと思いますし、このチャンスをくれた関係者の皆さんには本当にありがたいなと思いました。いつか一緒に勝ちたいと改めて強く思いました」
――今日の馬場状態は?
「水分はそれほどないですが芝丈が短くて、はがれやすい芝というか、いわゆるノメる感じはありました。滑る感じというか、実際に滑っている馬も何頭もいました。今までのロンシャンの重い感じとはまた違いましたね」
――クリンチャーにとって馬場はどうだったか?
「どうですかね。実際みんな同じ馬場で走っていますから。(エネイブルのように)シャンティイでも、オールウェザーでも、新しいロンシャンでも勝つ馬はやっぱり強いというしかありません。いつも馬場のせいにしているように思われたくないですし、それは全くないです。それも含めてのトライなので。馬の状態も良かったし、スタッフが良い状態でパドックまで持ってきてくれて、馬も一生懸命走ってくれた。ただ、結果は跳ね返されたということです。何かのせいに無理やりする必要は全くないと思います」
――挑戦し続けることしかない
「ここに来ないと(凱旋門賞制覇の)可能性は0%ですからね。リスクはあってもトライすることで、今回の遠征で経験になりますし、今後につなげないといけないですね。今回の結果でさえ、勝利に近づいていると思います」
――新しいロンシャン競馬場での凱旋門賞は?
「馬場入場の時にスタンドを見たとき、今日ここで騎乗できることを非常に嬉しく思いましたし、スタンドもカッコいいなと思いました。いつか勝ちたいなと改めて強く思いましたね。日本馬が勝つことはいつか必ずあると思いますが、その時に自分が背中に乗っていることが僕にとってはベストですね。諦めないですよ」
――1日で3つのG1レースに乗ったが?
「日本ではできないですからね。日本も1日はこういう日を作ってほしいですね。やっぱり雰囲気が最高ですから、毎年この日はここにいたいです」