【ケンタッキーダービー】デルマソトガケ吉田照哉代表 快速愛馬へ信頼大「場所替わっても強い」
2023年05月04日 18:00
日本で馬券発売されるケンタッキーダービー(G1、ダート2000メートル)が6日、米国のチャーチルダウンズ競馬場で行われる。前走でUAEダービーを制したデルマソトガケ(牡、音無)を生産した社台ファームの吉田照哉代表が熱い思いを語った。
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全米を、いや世界を驚かせる2分間が迫ってきた。デルマソトガケを生産した社台ファームの吉田照哉代表は米国競馬の祭典を前に、胸の高まりを抑えられずにいる。
「ケンタッキーダービーは夢。ゴール前、わーっとなったらどうしようかねえ。興奮するなあ。今から考えてもゾクッとする」
先代の故・善哉氏の代から大金を投じ、日本競馬の向上に心血を注いできた。昨年は自身の所有馬クラウンプライドで“最も偉大な2分間”に挑戦した(13着)。米国では毎年2万頭以上の競走馬が生産され、ゲート入りがかなうのはたった20頭。今年も生産馬を大一番に送り出す。
もしかしたら…。理想は形を帯び、今や現実的な目標となった。「日本の馬が外国に行って、普通に通用する時代になった。10年前くらいには誰が思ったかなあ。すばらしいですよ」。父マインドユアビスケッツ、3代母エイプリルソネットは吉田代表が米国から導入。大種牡馬サンデーサイレンスの血を引く母父ネオユニヴァースは03年に日本ダービーを勝った。血は巡り巡って、また祖国へと戻ってきた。
その快速は誰もが高く評価する。デルマソトガケが逃げ切ったUAEダービーはダート1900メートル施行となった15年以降で2番目に速い。主要ブックメーカーも軒並み上位に推している。「2000メートルのドバイワールドCが2分3秒25。1900メートルのUAEダービーは1分55秒81で走っているんだよね。100メートルに8秒もかかるわけがない。時計を見たら、ワールドCに出ても勝負になったんじゃないかと思ったよ。もちろん重量が違うんだけど」。ジョーク交じりでも、言葉は熱い。それだけの手応えがある。
「お母さんは関東オークスを勝っているから、距離はもつ。観衆がわーっと騒いだりとか、場所が替わったりとかにもすごく強い。どの位置からだって競馬はできる。ケンタッキーダービーはみんなが心をひとつにして一生懸命楽しんでいる感じがする。いいですよね。いきますよ、デルマソトガケ」。
当日は現地で「マイ・オールド・ケンタッキー・ホーム」に耳を傾け、レースを見届ける。もちろん、勝つと信じて。