NEWS

ニュース

ニュース/コラム

ウィンクス妹のディープ産駒がデビュー勝ち、豪メディアが誕生秘話を紹介

2023年06月07日 11:30

  • 友だち追加数

 オーストラリアの歴史的名牝ウィンクスの半妹でディープインパクト産駒のシティオブライツが現地4日にジーロン競馬場の未勝利戦(芝1418m)でデビュー。最内枠から五分の発馬を決めて逃げ馬から5馬身余り離れた好位を追走すると、直線では鞍上のステッキに力強く反応し、2着に1.5馬身差をつけて快勝した。

 この勝利を受けて豪競馬メディア『racing.com』はリスクを取った数年越しのプランが結実と評し、関係者の声を交えて現地6日にシティオブライツの誕生秘話を掲載した。

 ブラッドストック・アドバイザーのP.オブライエン氏によると、生産者のジョン・カミッレーリ氏は自由な思考の持ち主で、どこに繋養されているかを問わず、海外の種牡馬に常に目を向けている人物という。

 オブライエン氏はウィンクスとシティオブライツの母ベガスショーガールをディープインパクトと交配した2018年を「ジョンはディープインパクトとガリレオの2頭が世界最高の種牡馬と考えていた。彼(ディープインパクト)は年を取り、何が起きるか分からないから、太陽が輝いているうちに善は急げとばかり彼女を(日本へ)送ったんだ」と述懐。

「ベガスショーガールは大柄な牝馬だから、理想をいえば小柄で形の良い種牡馬を求めていた。まさにチェックボックスを埋めていたのさ」と、ディープインパクトは全てを備える相手だったと交配の理由を明かしている。

「彼女を日本へ空輸し、妊娠後80日か90日でオーストラリアに戻して出産させたんだ。ありがたいことに全てプラン通りに行った」「彼女は非常にのんびりした性格で、輸送は問題にならないとは思ったが、念のために帯同馬もつけてね」とオブライエン氏が言うように、決断から出産までスムーズに運んだ。そして1年後、ディープインパクトは頸椎の骨折により安楽死となり、カミッレーリ氏の決断のタイミングが幸運だったことが証明された。

 シティオブライツは生まれた時から女王だったというオブライエン氏は「彼女はベガスショーガールの産駒のほとんどが大柄という点でウィンクスに似ているが、ウィンクスと同じ年齢の段階では、似たような躯体でより見栄えがした。物怖じせず、動きもしなやかで無駄がなかった」と歴史的女傑に優るとも劣らぬ評価をしている。