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【サウジC】ウシュバテソーロの高木師は泰然自若「何番手につけて、という馬ではないですから」

2024年02月20日 17:45

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 昨年のドバイワールドC覇者ウシュバテソーロ(牡7、高木)が今年は同じ中東、サウジアラビアのサウジCで始動する。昨年は川崎記念、日本テレビ盃を快勝。BCクラシックは5着に敗れたが、年末の東京大賞典で見事に連覇を達成した。

 サウジ遠征を前に高木師は泰然自若だ。「東京大賞典を使っていたので、ここまでの調整は楽でした。調教はあまり動かない馬なので。(輸送は)前回も輸送は全然苦にしなかったので、(行くのが)どこでも変わらないと思います。環境が変わって、1日、2日は気合が入っちゃうところがありますね。あとは調教場が合うかどうか。サンタアニタは馬場の入り口や(他の調教馬が)対面で走ってくるところが合わなかったですから」。

 日本馬初勝利を期待されたBCクラシック(サンタアニタ)は不発に終わったが、ドバイワールドCで最後方からごぼう抜きを決めたように、末脚の爆発力は世界一だ。「(BCクラシックについては)川田君と話しましたが、結果論ですけど、『追いかけすぎたのかな』と。逆に東京大賞典はジッとし過ぎているように見えて、ドキドキしました。(サウジCの舞台は)ワンターンの1800メートルでスピードが問われるのかな、と感じています。前半の直線が長いですし、距離も含めて課題ですね。日テレ盃(船橋)の1800メートルとは違うと思います」。

 あくまで春の大目標は“ドバイワールドCの連覇”。たたき良化タイプだけに、サウジCを使うことで、大目標に近づくことになる。もちろん、サウジCを勝てば、その価値を高めることになるだろう。「あとは体調を整えることだけを考えています。連覇がかかるドバイワールドカップに直行するよりもどこかを使いたかったけど、川崎記念が4月に変わって、佐賀記念まで遠征をするのか、フェブラリーSはワンターンの1600メートルでどうなのか、といろいろと考えました。(レースへ向けては)作戦は何もないです。何番手につけて、という馬ではないですからね。東京大賞典のパドックはいつもグイグイなんだけど、落ち着いているなあ、と。ドッシリしたという感覚はありますね」。

 昨年はJRA賞の最優秀ダートホースの受賞はならなかったものの、特別賞を受賞した。日本の競馬史に名前を残すダートホースであり、迫力満点のオルフェーヴル産駒にはさらなる活躍が期待される。「(レモンポップとは初対決だが)向こうの方がワンターンには慣れているのかなと思います。BCのときはタフな馬場だったし、ドバイのときもレース当日はかなり水を撒いているのがホテルの部屋から見えて、朝の調教時間帯とはダートの馬場も違っていました。サウジの馬場が合うのかどうかはやってみなければ…。ドバイのときは(日本馬で)最後に招待状が届いたんです。それで出国前はレモンポップと一緒に追い切りをして…。(ドバイワールドカップを勝って)みんな表彰台で喜んでいるし、自分はそういうタイプじゃないけど、ステッキを掲げさせてもらって、モハメド殿下にも呼ばれてお会いして、いい経験をさせてもらいました」。

 最後に王者の普段の姿、横顔を聞くと、高木師は笑顔でその旺盛な食欲を語ってくれた。「ウシュバテソーロは緩いのも取れてきて、7歳で完成してきたところはあります。馬体は若いですよね。食事はいくらでも食べちゃうし、日テレ盃のときは襲いかかる感じで、エサのときは近寄れないです。飛びかかってきますよ。犬みたいに顔を突っ込んで食べてます」。

出典:日刊スポーツ