【WASJ】モレイラ逆転総合V、短期免許申請権ゲット「また来年、日本に戻ってきたい」
2024年08月26日 13:25
雷神の手綱さばきが札幌にとどろいた。24、25日の2日間にわたって行われたワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)はWAS選抜のジョアン・モレイラ騎手(40)が4戦合計で64点を積み上げて、15年に続く2度目の総合優勝を果たした。同騎手は来年以降の短期免許申請権もゲット。最終戦の第4戦を勝利で締め、喜びを爆発させた。
◇ ◇ ◇
勝った。優勝だ。モレイラ騎手が馬上で立ち上がった。勝者は叫んでいた。強く右手を2回握り、左手でエゾダイモンの首筋をポンとたたく。暫定4位で迎えた最終戦。4角3番手以内の馬が、2~4着を占める先行馬のしのぎ合いをあざ笑うかのような外差しを決めた。モレイラ騎手は「日本の競馬はすごくレベルが高い。騎手たちと競い合う中で勝てたのはうれしい」と喜びを爆発させた。
15年のWASJに続く、2度目の総合優勝。表彰台では金メダルが胸元で輝いた。ワールドスーパージョッキーズシリーズから名称と開催場が変更されて以降、初の複数回優勝騎手となった。初日を24点の暫定5位で折り返し、第3戦で10点を加算。勝てば優勝が決まる場面で、見事に逆転Vを決めた。「自信があるというよりは、自分のチャレンジを精いっぱいやろう、と。みなさんの応援とサポートが力を与えてくれました」と話すと、歓声が上がった。
大きな“副賞”もついてきた。今年から総合5位以内に入れば、短期免許取得の申請権が付与されるルールの運用が始まっていた。同騎手は現時点で来年以降の取得要件を満たしておらず、今回の参戦は並々ならぬ意気込みで臨んでいた。「短期免許のことは常に頭の片隅にあった。また来年、日本に戻ってきたい」。雷神、マジックマン…。見る者を魅了した手綱さばきで日本競馬をまた沸かせにくる。【松田直樹】