英チャンピオンSは波乱の決着、伏兵アンマートがカランダガンを差し切り
2024年10月20日 13:46
G1英チャンピオンステークス(3歳以上、芝10ハロン)が現地19日にアスコット競馬場で行われ、中団馬群の中で脚を溜めたアンマート(8番人気タイ)が内から先に抜け出した1番人気カランダガンをゴール前で鮮やかに差し切った(1/2馬身差)。
アンマートは逃げる7番人気コンティニュアスから2馬身少々の4、5番手で中間点を通過すると、2番手の3番人気ロスアンゼルスの背後から直線に入った。しかし、手応えの悪いロスアンゼルスがスペースの取り合いで姿勢を乱し、数頭が玉突き的に接触。アンマートも煽りを受けて仕掛けを待たされる。
この間にアンマートの後ろでラチ沿い追走のカランダガンに先んじられるも、背後に回り込んで追撃。カランダガンが3番手から粘り込むロイヤルライム(6番人気)の内を突いて抜け出すと、アンマートはロイヤルライムと外の2番人気エコノミクスとの狭いスペースから急追し、ゴール前でカランダガンを捕らえた。
さらに1馬身3/4差の3着にロイヤルライムが粘り込み、エコノミクスは最後に失速して6着。ロスアンゼルスは9着に沈んだ。
アンマートはO.バローズ調教師が管理する6歳セン馬で、シャドウェルが所有するオータード(父ケープクロス)産駒。昨年5月にイスパーン賞を制すも、その後に脚部不安で長期休養を強いられ、今年8月のG3ローズオブランカスターステークスで1年3カ月ぶりの復帰戦を勝利で飾っていた。これで通算2度目のG1制覇(重賞5勝目)としている。
英競馬メディア『racingtv.com』などに対してバローズ師は「彼は身動きが取れなかったし、私は直線半ばでノーチャンスだと思い双眼鏡を置いたんだ」「そうしたら、彼は少しスペースを見つけたようで入着はあるかもしれないと思ったが、あの馬場で見せたように加速するとはね。ジム(クローリー騎手)が言うには、囲まれて何もできない時、いつも脚を溜めているというから、時には上手くいくこともあるのさ」「とてつもないパフォーマンスだった。フクムがキングジョージを勝った時と並んで、私の過去最高の日だ」と快勝劇を喜んだ。
なお、今季3戦しかしていないアンマートの今後について具体的なプランはなく、海外遠征の可能性を含めてまずは様子を見てからと話すに留めている。