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【東京大賞典】フォーエバーヤングG1・3勝目 来年はサウジCからドバイワールドCへ

2024年12月30日 10:00

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<東京大賞典>◇29日=大井◇G1◇ダート2000メートル◇出走10頭

 待ってろ世界-。BCクラシック3着のフォーエバーヤング(牡3、矢作)が単勝1・3倍の圧倒的人気に応え、G1・3勝目を挙げた。勝ち時計は2分4秒9。

 米国でもまれた経験を存分に発揮し、国内では初対戦の古馬一線級を2番手から封じ込めた。今後は予定通り、来年のサウジC(G1、ダート1800メートル、2月22日=キングアブドゥルアジーズ)からドバイワールドC(G1、ダート2000メートル、4月4日)とダート王への王道を歩む。

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 ここじゃ負けられない。暮れの大井に、投げキッスが飛んだ。超豪華メンバーを引き連れ、フォーエバーヤングが世代交代を証明した。ゴール直後、馬上の坂井騎手は左手を口に当ててから、高々とスタンドに伸ばした。「世界一を目指している馬なので、日本では負けられない気持ちでした。これで無事に年越しできます」。日の丸を背負い続けたプライドを、1着で誇示した。

 経験が生きた。4番枠から好発を決め、楽に2番手を確保。そのまま直線を向き、残り250メートルで先頭へ。後続が来れば来るほど伸び続け、寄せ付けなかった。「前回前半から行かせる競馬をさせたので、それを馬が覚えていて飛び出すようなロケットスタートでした。直線ではもう負けないなと思いましたが、よくしのいでくれました」。序盤から飛ばし合う米国競馬への適応が、ここで実った。

 底が知れない。2走前のジャパンダートクラシックから10キロ増。4角では鞍上が促すシーンも見られた。矢作師が「(馬体重は)ほぼ想定通りで成長分。ただ、出来は八分。改めて強さを感じたけど、これでは世界で勝てない。もう1段階上げないといけない」と言えば、坂井騎手も「(4角の動きは)世界一になるにはあの辺りが課題」とのびしろに口をそろえた。

 目線は常に海の向こうにある。今年はサウジ、ドバイ、米国、大井を飛び回り、唯一無二の1年を駆け抜けた。来年は春の中東遠征が既定路線。秋は再び星条旗の下でのリベンジも期待される。師が「もっともっと強くなる馬」と言えば、鞍上も「来年こそ世界のトップに立たないといけない馬」と師弟で気合が入る。名実とも日本ダート界の総大将に立った。来年こそは世界の頂に立つ。【桑原幹久】

◆フォーエバーヤング ▽父 リアルスティール▽母 フォエヴァーダーリング(コングラツ)▽牡3▽馬主 藤田晋▽調教師 矢作芳人(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 9戦7勝(うち地方4戦4勝、海外4戦2勝)▽総獲得賞金 6億2326万2000円(うち地方2億4700万円、海外3億6906万2000円)▽主な勝ち鞍 23年JBC2歳優駿(Jpn3)全日本2歳優駿(Jpn1)、24年サウジダービー(G3)UAEダービー(G2)ジャパンダートクラシック(Jpn1)▽馬名の由来 曲名より

出典:日刊スポーツ