ドバイシーマC快勝ダノンデサイルは「凱旋門賞で日本の無冠を打ち破るかも…」データ会社が考察
2025年04月09日 18:43

欧州、米国、中東、オセアニア、中南米など世界各地の競馬場でGPSによるレース解析や競馬データの提供を行っている「トータルパフォーマンスデータ(TPD)」社が8日、ホームページのブログを更新し、ドバイワールドカップデー(5日、メイダン)の主要競走の数字を紹介している。
ブログ執筆者のアダム・ミルズ氏は「今年のドバイワールドカップは『番狂わせの夜』でした。各レースの優勝馬はその夜のベストホースたちですが、TPDのデータにはなぜ彼らが勝利したのかを説明する手掛かりが数多くあります。ここでいくつかのハイライトを見てみましょう」と書き出し、ドバイゴールドカップ、ドバイターフ、ドバイシーマC、ドバイワールドCの4競走について考察している。
ドバイターフでは2着に敗れたロマンチックウォリアーについて、ハロンごとの数字で一度もメンバー最速の数字が出ていないことや、ラスト1ハロンで11秒97と時計を要したことを指摘。「スタート時に発汗が見られたことと、サウジCでフォーエバーヤング相手に厳しい競馬をしたせいかもしれないが、(1月のジェベルハッタとの比較で)私たちが期待するレベルには達しなかった。それでもトップクラスのパフォーマンスを見せました」と評価している。また、「ロマンチックウォリアーばかり注目しているが、ソウルラッシュのパフォーマンスは素晴らしかったです」と記し、ソウルラッシュの末脚をたたえている。
シーマCについては「ああ、カランダガン。過去12カ月間、何度も書いてきているが、彼は当然G1を勝つべきだと確信しているけど、またしてもスタートの遅さで敗れてしまいました」と、2着に敗れたフランス馬の惜敗を強調。カランダガンへの思い入れが目立つ文章になっているが、一方で、快勝した日本のダノンデサイルが見せた能力についても言及。「世界でトップクラスの馬であることを証明した」「ラスト2ハロン目を(カランダガンの10秒47に次ぐ)10秒51で走って、勝負を決めた」「すでに日本ダービー馬のダノンデサイルは国際舞台への第1歩を順調に踏み出しており、関係者の意向があるならば、条件が整いさえすれば、凱旋門賞で日本の『無冠』をついに打ち破るかもしれません」とつづっている。
メインのワールドCは3着に敗れたフォーエバーヤングが数字の面でストライドがサウジCより小さく、ピッチも遅かったことを指摘。「休養を与えれば、秋にはダートの最高峰で勝負できない理由はない」とあらためて期待を寄せた。また、2着のミクストはラスト1ハロンが13秒20と失速し、勝ったヒットショーはラスト2ハロンをいずれもメンバー最速の数字で追い込んだことを紹介。ヒットショーの勝利について、「非常に素晴らしい走りだったが、この日の展開の恩恵を受けたのが彼だった。次回はそうならないかもしれない」と冷静にジャッジしている。