世界の競馬界に悲報 エネイブルら名馬擁したアブドゥラ殿下が死去

2021年01月13日 11:15

 昨年限りで引退したエネイブルを所有するなど、競馬史上最も成功したオーナーブリーダーの一人とされるハーリド・アブドゥラ殿下が死亡し、現地12日にジャドモントファームが公式サイトで発表した。詳しい死因は明かされていない。

 アブドゥラ殿下は英・愛・米に拠点を置くジャドモントファームを擁し、これまでに数々の名馬を生産・所有。エメラルドグリーンの胴色にピンクの襷、白い袖の勝負服を背にした500頭を超える所有馬が世界中でステークスを勝ち、そのうちの440頭をアブドゥラ殿下が生産した。また、ステークス勝ち馬の中で118頭はG1級を優勝し、その中の102頭はアブドゥラ殿下の生産馬だった。

 これまでの活躍馬には凱旋門賞連覇のエネイブルや14戦無敗のフランケルをはじめ、ダンシングブレーヴ、アロゲート、エンパイアメーカー、キングマン、オアシスドリーム、デインヒルなど、現役時はもちろん繁殖用馬として活躍した馬も多く、現代の競馬界に計り知れない影響を与えてきた。

 ジャドモントファームのダグラス・アースキン・クラムCEOは声明文に「ジャドモントファームは喪失感に包まれています。ハーリド殿下はその所有馬が物語るように物静かで威厳があり、慈悲心のある人物でした」「彼のレガシーは後世に残る物となるでしょう」と記している。