インペラトリスにアクシデント、豪G1ニューマーケットHはシリンダーが制す

2024年03月10日 11:42

 豪G1ニューマーケットハンデキャップが現地9日にフレミントン競馬場の芝・直線1200mで行われ、J.カー騎乗のシリンダー(4番人気タイ)が先行策から先に抜け出す1番人気インペラトリスを最後の100mから差し切って金星を挙げた(1.25馬身差)。

 12頭立てのレースは馬場の中央を挟んで二手に分かれ、3番枠のインペラトリスは馬場の三分所を先行。シリンダーは七分所で前の12番人気ジアストロロジストの背後を追走すると、残り400mから先頭に立って押し切り体勢のインペラトリスをねじ伏せるように差し切った。さらに0.3馬身差の3着にジアストロロジストが続いている。

 シリンダーはJ.カミングス調教師が管理するゴドルフィンの所有馬で、今週に種牡馬引退が発表されたエクシードアンドエクセル産駒の3歳牡馬。1年前のゴールデンスリッパーステークスでは1番人気に推されるも2着に敗れ、これが待望のG1初制覇(重賞5勝目)となった。

 なお、豪競馬メディア『racing.com』によると、2着に敗れたインペラトリスはレース後に運動誘発性肺出血を発症していることが判明。M.ウォーカー調教師は戦前にウィリアムリードステークスからTJスミスステークスを目指す青写真を披露していたが、今後のレース出走には獣医検査をクリアする必要が生じている。

 また、インペラトリスのハンデは58kgだったが、ニューマーケットHで58kg以上を負担した牝馬は1906年のペンダント(60.5kg)、2011年のブラックキャビア(58kg)に続く3頭目。1着のシリンダーはレースに設定されたハンデ下限の51.5kgだった。