年齢的にはベテランの域だが、ここまで通算14戦しかしていない。その内訳は1着が3回の一方で2着は7回もあり、残りは3着が4回。着外なしと抜群の安定感を誇っている。デビューから3戦連続で2着を続け、2014年5月に4戦目で未勝利を脱出。その後はG3で2着3回など重賞戦線での活躍もありながら勝利には届かなかった。いわゆる勝ち味に遅いキャラクターだが、3つしかない白星のうち2つは昨年にあげたもので、最近になって持ち前の堅実性に勝負強さが加わってきた。転機となったのは昨年のオフに施された去勢手術だ。

6月の始動戦でいきなり準重賞を制すと、続くサマーマイルでは初挑戦のG2も完勝と効果てき面。3戦目には英インターナショナルステークスに挑み、優勝したポストポンドから2馬身1/4差、2着のハイランドリールとは1馬身差の3着に善戦している。その内容も、ゴール前100mほどでポストポンドに寄られ、鞍上が立て直す不利を受けてのもの。次戦ではカナダのウッドバインマイルで女王テピンから3/4馬身差の3着と、飛びっ切りのG1級とそん色なく戦えるまでになった。今回はそれ以来の実戦で、直前には脚部の膿症により予定していたレースを回避する事態に見舞われたが、幸い症状は軽く、ドバイターフ参戦は当初の計画通り。もとより乗り込みは豊富で、近走の相手関係からも要注意の存在であることは間違いない。