見どころ
リブチェスターが実績でリード、ヴィブロスは絶好調の鞍上に期待
メーンレースのワールドカップはアロゲートの1強状態、シーマクラシックは少頭数となり、日本で馬券が発売される3レースの中では、このドバイターフが最も妙味のあるレースとなったのではないか。
昨年は絶対的存在だったソロウが直前で回避し、混戦模様となった一戦を日本のリアルスティールが制した。しかし、今年はそのリアルスティールも21日に鼻出血を発症して取り消し。ディフェンディングチャンピオンが2年連続で直前回避という事態となった。
ただ、今年は昨年と違い、リアルスティールが取り消す前から混戦の様相を呈していた。しかも、昨年の活躍が程良く助走のような形になり、飛躍を狙えそうな面々が多数。結果が非常に楽しみな一戦だ。
日本から唯一の参戦となったヴィブロスは、初の海外遠征で牡馬の一線級が相手と、あくまで胸を借りる立場。最近10年で牝馬の優勝も1頭しかなく、どこまで食い下がれるかがテーマになる。そうした中で香港を拠点に活躍するJ.モレイラ騎手を確保できたのは心強い限りだ。今月5日にシャティン競馬場で1日8勝の大記録を打ち立てる一方、19日にはラッパードラゴンとのコンビで香港ダービーを制し、史上初の香港4歳3冠を成し遂げたばかり。乗りに乗っている“マジックマン”なら、何かを起こしてくれるかもしれない。
実績最上位は欧州のマイルG1で4戦1勝、着外なしのリブチェスター。1600mまでしか距離経験はないものの、レースぶりから200m程度の延長は何ら問題ない印象だ。内容次第で2000m戦線への展望も開けるだけに、明け4歳の今季を充実させるためにも結果を伴わせたい一戦だろう。
G1勝ちの実績はないが、充実一途のムタケイエフと血統的スケールの大きなザラックも楽しみな存在。ムタケイエフは昨年の夏から世界でもトップクラスのG1常連を相手に差のない勝負を演じた。直前の一頓挫は懸念材料も、陣営は日を置かずにドバイターフ参戦を明言している。欧州調教馬は馬場状態による回避もめずらしくなく、わざわざ中東まで遠征する以上は大きな影響なしと見て構わないのではないか。また、ザラックは前走のG3で初の重賞制覇を飾ったばかりだが、勝ちっぷりは一枚も二枚もクラスが上。G1とはいえシーズン序盤の今回はチャンスもあろう。
モンディアリストとドーヴィルは昨夏にアメリカでG1を勝っているが、欧州での戦績は明らかにG1級に足りない。この2頭なら前哨戦のジュベルハッタを制したデコレーテッドナイトや、メイダンで継続参戦してきたオパールティアラとベリースペシャルで大差ないかもしれない。