2年前のドバイゴールデンシャヒーンでムアラブと壮絶な叩き合いを演じた末、クビ差の惜敗を喫したエックスワイジェット。わずかな差でG1初制覇を逃したものの、それまでG1に出走したことさえなく、直前に2度目のG3制覇を飾ったばかりの明け4歳馬としては、世界に存在をアピールする十分な内容で、アメリカに帰国後の飛躍を誰もが信じて疑わなかったことだろう。ところが、名前を売れた一方で代償を払わされる羽目になる。レース直後にヒザの骨折が判明。幸い軽傷で済んだが、半年の休養を余儀なくされた。

復帰戦にはG1ヴォスバーグステークスを選び、失ったチャンスを挽回しにかかるも結果は5着。叩き2戦目はG3に相手を落としたものの3着に敗れ、またしてもヒザの負傷に見舞われる。さらには体調不良も重なり、昨年暮れまで1年1か月も戦列から遠ざかる事態となってしまった。こうなると、元の力を取り戻すのに時間を要すものだが、エックスワイジェットは復帰初戦のG3ミスタープロスペクターステークスで不死鳥の如く復活。

その後は前走まで重賞未格付けのステークスをそれぞれ5馬身以上の着差で連勝した。休養が長かった分だけ、負担を抑えた相手選びに陣営の配慮もうかがえ、着実に態勢を整えて迎える2年越しの雪辱戦は楽しみだ。

エックスワイジェットの競馬データ