3歳時の2016年に英G1エクリプスステークスを制すなど、早い段階で素質を開花させた感のあるホークビルだが、あるいは、それは狂い咲きだったのかもしれない。エクリプスSの前走では、ロイヤルアスコット開催のG3で重賞初制覇を飾っていたが、両レースとも10ハロン（2000m）に2分10秒前後を要す重馬場だった。一転して固い馬場での戦いとなった英インターナショナルステークスではポストポンド、続く稍重の愛チャンピオンステークスでもアルマンゾルに各11馬身以上も離される大敗を喫し、その頃にはC.アップルビー調教師も道悪巧者の認識を示していた。

しかし、4歳を迎えた昨年は徐々にキャラクターが変化し、初勝利となったシーズン2戦目のG3こそ道悪だったが、7月のG2プリンセスオブウェールズステークスでは、芝の良馬場で初白星を手にすることがきた。その後はドイツのベルリン大賞で2着、カナダに遠征してノーザンダンサーターフステークスでも2着と良馬場で好走。それから半年ぶりの今季初戦となった前哨戦のドバイシティオブゴールドでは、トラックレコードを更新して快勝するまでにスピードへの対応力をつけてきた。まだ良馬場で超一流の域になく今回は試金石だが、本格化の時を迎えたならば、時計勝負は望むところの日本調教馬たちも油断できない。