ドバイワールドカップ

Dubai World Cup

2018/03/31(土)25時50分発走 ※発走日時は日本時間

メイダン競馬場

日本馬挑戦の歴史

日本馬の歴史

競馬の枠を超え、日本に光を届けたヴィクトワールピサ

日本調教馬にとってのドバイワールドカップといえば、何と言っても2011年のワンツーフィニッシュだろう。

60年を超える中央競馬の歴史の中でも、ヴィクトワールピサが手にした勝利は、何物にも代え難い特別な1勝となった。日本調教馬には攻略不可能とさえ思われていた最高峰の一角を陥落させただけでなく、およそ2週間前に発生した東日本大震災の壊滅的被害に打ちひしがれる我ら日本人を勇気づけ、大きな感動を届けてくれた。

この年はヴィクトワールピサの他にブエナビスタ、トランセンドという、芝とダートのトップホースが参戦した。レースではトランセンドがハナを切ったが、向正面でスローペースに落とすと、ヴィクトワールピサが最後方から一気に先頭へ上昇。トランセンドに横づけし、そのままの態勢で直線に突入していった。

両馬の背後から外へ愛ダービー馬ケープブランコ、間を狙って翌年のWCを勝つことになるモンテロッソが接近。残り200mを切ると大外から北米芝チャンピオンのジオポンティも強襲した。しかし、ヴィクトワールピサはトランセンドと叩き合いを演じながら懸命に先頭を守り抜き、最後は体半分だけ前に出てフィニッシュ。競馬史に不滅の1ページを刻み込んだのだった。

2011年までは5着以内、いわゆる掲示板も難しい状態だっただけに、ヴィクトワールピサとトランセンドのワンツーフィニッシュは驚天動地の快挙だった。しかし、それ以前に1頭だけ、夢を見させてくれた馬がいる。2001年のトゥザヴィクトリーだ。

1996年のライブリマウントを振り出しに2000年のワールドクリークまで4頭が挑戦し、完走した3頭はすべて6着に完敗してきた中で、トゥザヴィクトリーは快足を飛ばして単騎先頭の形を作る。直線までに築いた4馬身ほどの貯金は残り200mで尽きてしまったものの、大本命のキャプテンスティーヴに捕まった後も懸命に粘って2着を死守した。

ヴィクトワールピサとトランセンドの快挙はオールウェザーのトラックが舞台だったが、ダートで見せ場らしい見せ場を作れた日本馬は後にも先にもトゥザヴィクトリーのみ。しかも、その快走劇は牝馬唯一の連対例として20余年のレース史に刻まれている。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
2017 アウォーディー 牡7 5 武豊 松永幹夫
ラニ 牡4 8 R.ムーア 松永幹夫
アポロケンタッキー 牡5 9 C.ルメール 山内研二
ゴールドドリーム 牡4 14 J.モレイラ 平田修
2016 ホッコータルマエ 牡7 9 幸英明 西浦勝一
2015 ホッコータルマエ 牡6 5 幸英明 西浦勝一
エピファネイア 牡5 9 C.スミヨン 角居勝彦
2014 ベルシャザール 牡6 11 C.ルメール 松田国英
ホッコータルマエ 牡5 16 幸英明 西浦勝一
2012 エイシンフラッシュ 牡5 6 C.ルメール 藤原英昭
スマートファルコン 牡7 10 武豊 小崎憲
トランセンド 牡6 13 藤田伸二 安田隆行
2011 ヴィクトワールピサ 牡4 1 M.デムーロ 角居勝彦
トランセンド 牡5 2 藤田伸二 安田隆行
ブエナビスタ 牝5 8 R.ムーア 松田博資
2010 レッドディザイア 牝4 11 C.スミヨン 松永幹夫
2009 カジノドライヴ 牡4 8 安藤勝己 藤沢和雄
2008 ヴァーミリアン 牡6 12 武豊 石坂正
2007 ヴァーミリアン 牡5 4 C.ルメール 石坂正
2006 カネヒキリ 牡4 4 武豊 角居勝彦
スターキングマン 牡7 7 O.ペリエ 森秀行
2005 アジュディミツオー 牡4 6 内田博幸 川島正行
2004 アドマイヤドン 牡5 8 安藤勝己 松田博資
リージェントブラフ 牡8 9 吉田豊 大久保洋吉
サイレントディール 牡4 12 武豊 池江泰郎
2002 アグネスデジタル 牡5 6 四位洋文 白井寿昭
トゥザヴィクトリー 牝6 11 O.ペリエ 池江泰郎
2001 トゥザヴィクトリー 牝5 2 武豊 池江泰郎
レギュラーメンバー 牡4 9 松永幹夫 山本正司
2000 ワールドクリーク 牡5 6 加藤和宏 新井仁
1998 キョウトシチー 牡7 6 松永幹夫 中尾謙太郎
1997 ホクトベガ 牝7 中止 横山典弘 中野隆義
1996 ライブリマウント 牡5 6 石橋守 柴田不二男