地元フランス勢は昨年まで3連敗を喫するなど、最近10年間の凱旋門賞で4勝6敗と分が悪い。連覇を狙う英国のエネイブルを筆頭に、今年も出走が予想される外国勢に押され加減の印象があるが、地元勢のけん引役に期待されるのがヴァルトガイストだ。

2歳時にクリテリウムドサンクルーでG1初制覇を飾り、早くから素質をアピールしていたが、クラシック制覇の大志とともに迎えた3歳では仏ダービー2着、愛ダービー4着とタイトルに届かず。その後もG3を勝ちきれないなど、終わってみれば5戦未勝利と目ぼしい成果を挙げることができなかった。

しかし、そんな尻すぼみだった1年をよそに、4歳となった今季は見違えるようなシーズンを送っている。初戦こそ自己最低の5着だったものの、2戦目のG3エドゥヴィル賞で久々の勝利。勢いに乗ったヴァルトガイストは、G2シャンティイ大賞で昨年のフォワ賞勝ち馬チンギスシークレット、同2着で凱旋門賞でも気を吐いた僚馬クロスオブスターズなどの強豪を相手に3馬身差の完勝を収めた。

さらに前走のG1サンクルー大賞では、食い下がるコロネットを相手にハナ差勝ち。着差以上の内容で久々のG1勝利を飾った。キングジョージを自重して迎えたフォワ賞は、凱旋門賞への試金石。まずは地元のエースとして認められる内容を残したい。

ヴァルトガイストの競馬データ