昨年は3月のエクスビュリ賞から4月のアルクール賞、そして5月のガネー賞と、G3からG1へ着実に足場を固めて秋に4か月の休養。狙い澄ましたようにフォワ賞、凱旋門賞で連続2着と、ハイレベルなレースで5戦パーフェクト連対の充実したシーズンを送ったが、今季はすでに5戦しながら未勝利と苦しんでいる。ドバイシーマクラシックへ遠征して3着、連覇を狙ったガネー賞でも3着と、昨年の同時期と比較して強い相手と戦ってきた面はあるものの、その後の地元2戦でも精彩を欠いているのは気掛かりだ。

ただ、今季の内容には酌量の余地もある。始動戦は初のオールウェザー戦で、ドバイワールドカップを狙っていたタリスマニックの2着。続くドバイシーマクラシックは3着だった一方で、日本のレイデオロには2馬身近く先着している。

ガネー賞は帰国初戦だったうえに休養十分のクラックスマンが相手となり、次戦のシャンティイ大賞は包まれ通しで満足に追えなかった結果。そして、前走のサンクルー大賞は上がり勝負の展開で後方の位置取りに泣いた。勝ったヴァルトガイストとの2馬身差は直線入口よりも詰めており、突き放された訳ではない。少しずつ歯車がかみ合っていないだけで、ひと息入れた今回、巻き返しのきっかけをつかむことも十分にあるだろう。

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