強豪ひしめく香港のスプリント路線を制圧するには、このチェアマンズスプリントプライズ（CSP）のタイトルが必要だ。暮れの香港スプリントでは1番人気の支持を集めると、好位の一角から押し切る横綱相撲でG1初制覇。シーズン前半の大一番で完ぺきなパフォーマンスを披露し、暫定王者の座についた。その後は1月末のG1センテナリースプリントカップ、4月8日の前走G2スプリントカップでともにクビ差の2着に惜敗しているものの、G2の前走では他馬との比較で1頭だけ2kg余り重い斤量を負担した結果。G1ホースとして十分な内容を残している。

昨年のCSPでも最近2戦と同様にクビ差2着の惜敗を喫したが、当時はラチ沿いからスムーズに伸びた勝ち馬（ラッキーバブルズ）に対し、ミスタースタニングはその背後から外へ馬群を捌きながらの追撃。スムーズなら差し切っていた可能性が高く、今年は雪辱を期すと同時に王手をかけているような状態といえよう。また、昨年のCSPは国際競馬統括機関連盟が発表した「世界のトップ100 G1レース」で34位タイにランキングされたが、これは香港における全G1レースの中で最高位。そうしたハイレベルな戦いで勝ちに等しい内容を残した実力は香港スプリントで証明済みでもあり、この一戦で勝ち負けに絡んでくることはまず間違いない。