香港チャンピオンズマイル 2025/4/27(日) 17:00発走 シャティン競馬場

見どころPREVIEW

地元のエースに成長したヴォイッジバブル。(Photo by The Hong Kong Jockey Club)

地元のエースと豪州マイル王の2強対決、ガイアフォースは割って入れるか

昨年は4連覇の大偉業を狙ったゴールデンシックスティが道悪に泣かされ、まさかの4着に敗れる波乱の決着となったチャンピオンズマイル。香港天文台の予報では週中から週末まで、雷雨を含むすっきりしない天気が続いており、今年も馬場状態に影響が出る可能性を考慮しておく必要があるかもしれない。

今年のチャンピオンズマイルは地元のエースに成長したヴォイッジバブル、豪州のマイル王ミスターブライトサイドがレーティング120でトップに並ぶ2強対決の構図。どちらも好位差しのスタイルでポジショニングが近く、この2頭をめぐってレースが展開していくことは間違いない。

ヴォイッジバブルは昨年のチャンピオンズマイルで3着。ドバイ遠征から帰国後の厳しい臨戦ながら2着のレッドライオンとは1/4馬身差しかなかった。その内容から仮に馬場が悪化しても問題なく、レース間隔に余裕のある今年はより高いパフォーマンスを発揮できるはず。また、ミスターブライトサイドは陣営が日ごろから馬場状態に水分を求めているほど道悪が得意。B,W&JD.ヘイズ調教師の3兄弟による管理だが、父はカーインライジング(チェアマンズスプリントプライズ)のD.ヘイズ調教師で情報収集にも抜かりはない。

レーティング117で3番手に続くのはガイアフォース。唯一の重賞勝ちであるセントライト記念、強豪相手に善戦した昨年の安田記念はともに稍重だった。ただし、昨年は道悪実績のあった日本馬たちが何もできずに惨敗しており、適性の参考になるか判然としない。馬場は良いに越したことはないだろう。脚質的には2強をマークする有利な位置を取れるはずで、レーティング通りに3着以内を確保してほしいところ。

反対に馬場の悪化を望んでいるのは昨年の覇者ビューティーエターナルと2着のレッドライオン。2頭とも当時から丸1年連対がないが、この間にビューティーエターナルは香港マイルで2馬身差の4着、レッドライオンもスチュワーズCで3馬身差の3着と、G1でヴォイッジバブルに大きく負けていない。

豪州のマイル王ミスターブライトサイド。(Photo by Getty Images)

ビューティージョイ、ギャラクシーパッチがレーティング116。ビューティージョイは香港マイルで3着、ギャラクシーパッチもスチュワーズCで2着と、ヴォイッジバブルから2馬身圏内のレースをしているが、昨年のチャンピオンズマイルはそろって5着以下に終わった。ともに追い込みに近い脚質でもあり、道悪は歓迎できない。

ロイヤルパトロネージは現地シーズンの9月に始動して8戦を消化。3月のカンタベリーS勝ち、前走のドンカスターマイル2着と近走はG1で好走し、着外も2戦だけと安定している。英国から米国、そして豪州へと移籍を繰り返して環境の変化に耐性がありそうなうえ、逃げも打てる先行力を備えているのは魅力。ただ、今季の8戦はいずれも比較的良い馬場状態で、本格化前ながら英国在籍時は道悪で振るわなかった。

マイウィッシュは今季の香港4歳三冠戦で香港クラシックマイル勝ちなど、全て2着以内と最強レベルの活躍を披露。これから香港のマイル戦線をリードしていく存在になるかもしれない有望株で注目しておきたい。道悪経験がほとんどなく適性は不明だが、クラシックマイルは好位から満を持しての差し切り。2強と近い位置取りになりそうで、できれば良馬場での真っ向勝負を見てみたいところだが。

この他では、道悪になればハッピートゥギャザーに変わり身があるかもしれない。昨年のチャンピオンズデーはクイーンエリザベス2世Cで4着。ヒシイグアス(5着)に先着し、3着のノースブリッジとも3/4馬身差の接戦だった。1年余り白星がないが、昨年の香港マイルでヴォイッジバブルから2馬身1/4差の5着(6位入線から繰り上がり)など崩れなく戦っている。

(渡部浩明)