香港カップ

Hong Kong Cup

2017/12/10(日)17時30分発走 ※発走日時は日本時間

シャティン競馬場

見どころ

ネオリアリズムはモレイラ騎手とのコンビで香港カップに臨む。
ネオリアリズムはモレイラ騎手とのコンビで香港カップに臨む。

香港カップは上位拮抗の混戦模様、名手を配した日本馬3頭にも勝機

2015年のエイシンヒカリ、2016年のモーリスに続き、香港カップは日本調教馬の3連覇がかかっている。その襷を受ける候補は春のクイーンエリザベス2世カップ(QE2C)を制したネオリアリズム、香港Cは3年連続のチャレンジとなるステファノス、そして7歳牝馬にして衰え知らずのスマートレイアー。混戦模様で予断を許さないが、それぞれに異なる個性があり勝機も十分だろう。

今年の香港Cはネオリアリズムをはじめ地元のワーザー、英国のポエッツワード、そしてアイルランドのドーヴィルがレーティング119で首位に並び、さらに118のステファノスが続いて記録上の上位グループを形成している。この5頭の中から勝者が誕生するのではないか。

日本期待のネオリアリズムは、4月に同舞台のQE2Cを制したばかり。香港競馬シーズンの終盤に行われる中距離路線の総決算を制しているのはアドバンテージだ。当時は未勝利戦でも見られないような超スローペースで、馬の能力もさることながら騎手の腕も問われる展開となったが、引き続き殊勲のJ.モレイラ騎手を鞍上に迎えられるのは幸い。さすがに同じような展開になるとは考えにくいものの、もともとネオリアリズムは自在性を持ち味としているだけに、香港のベストジョッキーでもあるモレイラ騎手が巧みに導いてくれることだろう。

また、ステファノスはレーティングこそ1ポンド劣るものの、あくまで数字上の記録。香港には初遠征となるポエッツワードやドーヴィルに対し、ステファノスは3年連続4回目、2015年QE2Cで2着、昨年の香港Cで3着と経験値で上回る。しかも、宙に浮いていた鞍上が今年の「ワールドベストジョッキー」に輝き、シャティン競馬場での騎乗実績も豊富なH.ボウマン騎手に決定したのは心強い。悲願のG1制覇へ一歩前進だ。

最大の脅威は実績の割にレーティングが高めな欧州の2頭ではなく、やはり地の利がある地元のワーザーではないか。昨年の香港Cは脚部不安の影響で回避したが、出走していればモーリスの最大のライバルになると恐れられていた実力馬。今春のQE2Cではネオリアリズムの立ち回りに屈したが、底力を問われる展開なら筆頭評価もできる。前哨戦を力でねじ伏せた内容もさすがで、上位争いに絡んでくることはまず間違いない。

スマートレイアーはレーティング110で数字こそ劣るが、レースでの斤量差(4ポンド)を加味すれば上位馬にもう一歩のところまで近づける。鞍上は日本が誇る天才・武豊騎手。香港カップは2年前にエイシンヒカリで制したのをはじめ、2着も2回と第一人者にふさわしい記録を残している。今年で3年連続の参戦となるうえ、スマートレイアーとのコンビでは昨年も香港ヴァーズを戦っており、一発逆転の秘策に期待したい。