香港マイル

Hong Kong Mile

2017/12/10(日)16時50分発走 ※発走日時は日本時間

シャティン競馬場

日本馬挑戦の歴史

日本馬の歴史

着実に張った根、エイシンプレストンが咲かせた大輪の花

香港国際競走の4レースの中で、これまで日本調教馬が最も多く出走してきたのが香港マイル。1993年4月のホクセイシプレー(当時は香港国際ボウル)を振り出しに2016年まで延べ36頭が遠征し、不参戦だったのも2000年と2009年、2013年の3回しかない。結果も比較的早い段階から出はじめ、2年連続の挑戦を生かして1996年にドージマムテキが初連対。翌年にはシンコウキングが3着、さらに1998年にもロイヤルスズカが4着に食い込むなど、日本馬は着実に根を張っていった。

大輪の花を咲かせたのは2001年。マイルCSで雌雄を分けたゼンノエルシドとエイシンプレストンがそろって香港マイルに参戦すると、ゼンノエルシドが1番人気で迎えられたのに対し、わずか3/4馬身及ばなかっただけのエイシンプレストンは6番人気の伏兵評価に甘んじた。しかし、レースでは先行策から失速するゼンノエルシドを横目に、エイシンプレストンは中団追走から末脚を爆発。2着馬にマイル戦では決定的な3馬身1/4もの大差をつけて圧勝し、海の向こうでライバルに雪辱を果たすと同時に、日本調教馬として初優勝を成し遂げた。

エイシンプレストンの勝利後も日本馬の活躍は続き、翌年にトウカイポイント(3着)とアドマイヤコジーン(4着)、2003年もローエングリン(3着)とアドマイヤマックス(4着)が上位入線。ドージマムテキの初連対からこの年までに延べ11頭が香港マイルに出走したが、現地で馬券対象となる4着から漏れたのは3頭だけと堅実に活躍し、2勝目は時間の問題と印象づけていた。

そして2005年、今か今かとふくらんだ期待にハットトリックが応える。前走のマイルCSでG1初制覇を飾ったハットトリックだが、この日も課題のゲートを決められずに3コーナーを後方2番手で通過。平均的なペースの中で決して有利とはいえない追走を強いられた。しかし、鞍上のO.ペリエ騎手に早めに促されて大外から直線に進入すると、中団を追走したアサクサデンエンとの併せ馬に直線半ばで決着をつけ、さらに加速。前方で粘るライバルたちを並ぶ間もなく差し切り、弾丸シュートをゴールに叩き込んだ。

こうして1996年から10年にわたって香港マイルで幅を利かせていた日本のマイラーたちだが、その隆盛は突然の終わりを告げることになる。2006年から地元勢が急激に力をつけ、2014年まで9連勝の独壇場。対照的に日本馬は延べ11頭が挑戦して3着1回、4着2回と精彩を欠いた。

しかし、香港勢の独裁に終止符を打ったのも、やはり日本調教馬だった。安田記念、マイルCSを連勝し、名実ともに最強マイラーの座に就いたモーリスが日本を飛び出し、迎え撃った地元の雄エイブルフレンドと下馬評通りの一騎打ちを展開。直線で外から馬体を並べにきたエイブルフレンドに一度は体半分ほど前に出られたものの、モーリスが怒とうの巻き返しで逆にねじ伏せ、アジア最強マイラーへと登り詰めたのだった。

馬名 性齢 着順 騎手 調教師
1993※ ホクセイシプレー 牡5 14 須貝尚介 須貝彦三
1993 トモエリージェント 牡5 14 根本康広 増沢末夫
1994 ゴールドマウンテン 牡5 8 増井裕 佐山優
1995 ドージマムテキ 牡5 5 柴田善臣 森秀行
1996 ドージマムテキ 牡6 2 村本善之 森秀行
1997 シンコウキング 牡6 3 武豊 藤沢和雄
1998 ロイヤルスズカ 牡5 4 横山典弘 橋田満
1999 ミッドナイトベット 牡4 8 O.ペリエ 長浜博之
2001 エイシンプレストン 牡4 1 福永祐一 北橋修二
ゼンノエルシド 牡4 14 O.ペリエ 藤沢和雄
2002 トウカイポイント セ6 3 蛯名正義 後藤由之
アドマイヤコジーン 牡6 4 武豊 橋田満
2003 ローエングリン 牡4 3 K.デザーモ 伊藤正徳
アドマイヤマックス 牡4 4 福永祐一 橋田満
テレグノシス 牡4 7 勝浦正樹 杉浦宏昭
2004 デュランダル 牡5 5 池添謙一 坂口正大
テレグノシス 牡5 14 横山典弘 杉浦宏昭
2005 ハットトリック 牡4 1 O.ペリエ 角居勝彦
アサクサデンエン 牡6 6 藤田伸二 河野通文
2006 ダンスインザムード 牝5 12 武豊 藤沢和雄
2007 コンゴウリキシオー 牡5 9 藤田伸二 山内研二
2008 スーパーホーネット 牡5 5 藤岡佑介 矢作芳人
2010 エーシンフォワード 牡5 4 岩田康誠 西園正都
2011 アパパネ 牝4 13 蛯名正義 国枝栄
2012 サダムパテック 牡4 6 武豊 西園正都
グランプリボス 牡4 12 内田博幸 矢作芳人
2014 グランプリボス 牡6 3 岩田康誠 矢作芳人
ワールドエース 牡5 4 Z.パートン 池江泰寿
フィエロ 牡5 6 福永祐一 藤原英昭
ハナズゴール 牝5 8 N.ローウィラー 加藤和宏
2015 モーリス 牡4 1 R.ムーア 堀宣行
ダノンプラチナ 牡3 7 蛯名正義 国枝栄
フィエロ 牡6 9 M.デムーロ 藤原英昭
2016 ロゴタイプ 牡6 5 M.デムーロ 田中剛
サトノアラジン 牡5 7 川田将雅 池江泰寿
ネオリアリズム 牡5 9 R.ムーア 堀宣行