見どころ
香港スプリントは地元勢の首位争いか 日本の牝馬2頭が分厚い壁に挑む
G1昇格後の15回で地元の香港調教馬が最近3連勝を含む計12勝と圧倒的な勝率を誇る香港スプリント。今年もレーティング上位6頭が地元勢というメンバー構成になり、外国勢にとって難攻不落の一戦となる可能性が高そうだ。
昨年の香港スプリント優勝馬エアロヴェロシティは現役を退いたが、2着ラッキーバブルズ、3着ペニアフォビア、4着アメージングキッズは今年も参戦。さらに勝ち馬から2馬身差の7着ノットリスニントゥーミーまでが、外国勢を抑えてレーティング上位を形成している。
このうちラッキーバブルズは、春のチェアマンズスプリントプライズで待望のG1制覇を飾りスケールアップを果たした。ペニアフォビアは香港スプリントで3年連続の3着以内と抜群の実績を誇り、アメージングキッズも前哨戦のG2ジョッキークラブスプリント2着と調子を上げている。ノットリスニントゥーミーはムラ駆け傾向なものの、2015年の香港スプリントでペニアフォビアから1馬身、今年のチェアマンズSPではラッキーバブルズから1/2馬身差の3着と一発がある。
この4頭だけでも強力だが、レーティングでは4頭と同格以上のミスタースタニングとザウィザードオブオズが新たに加わった。ミスタースタニングはG1勝ちこそないものの、チェアマンズSPでは負けて強しの2着。前哨戦のJCスプリント勝ちと勢いは一番だ。また、ザウィザードオブオズも同様にG1未勝利だが、これまで挑戦した2回は復調途上。重賞戦線に参入してから順調だったことが少なく、10月から月1走で迎えられる今回は不気味な存在となる。
日本のレッツゴードンキとワンスインナムーンは、この分厚い壁に挑まなければならない。レッツゴードンキは差し、ワンスインナムーンは先行と脚質が異なり、二段構えで一角でも崩してほしいところだが、昨年は春秋スプリント王のビッグアーサーとレッドファルクスをもってしても2桁着順と跳ね返された。どこまで食い下がれるかがテーマとなるか。
フランスのサインズオブブレッシングは、昨年の香港スプリントで外国勢として最高の5着。1着から2馬身圏内だったうえ、不慣れなコーナーも経験して前進を望めよう。ただ、今年はG3を2勝しただけで、G1は3戦して4馬身以上の完敗続きと昨年のような勢いがない。同じくフランスのザライトマンは3月にG1アルクオーツスプリントを勝っているが、前走のG3ともども今年の2勝は道悪だった。アメリカのストーミーリベラルは前走のG1ブリーダーズカップターフスプリントが10番人気での勝利。だが、これまで右回りの経験もなければカリフォルニア州外に出たのは1度しかない。ここはあくまで試金石だろう。
この辺りの欧米勢なら、スプリンターズステークスで来日したブリザード、JCスプリント3着など重賞4戦で3着以上3回と堅実なディービーピンの地元勢に魅力がある。