昨年のフォワ賞でクリンチャーらを強烈な末脚で一蹴したヴァルトガイストが今年も元気一杯だ。フォワ賞後の凱旋門賞では馬群の中から進路を探しながらの追撃となって4着。次戦のブリーダーズカップターフは発表以上に悪化した馬場に末脚を封じられ、続く香港ヴァーズでも直線入口の勝負所で不利を受けるなど、シーズン終盤は消化不良に終わったが、それから約5か月ぶりの今季初戦となった前走のガネー賞で本来のキレ味を見せつけた。

5頭立てのガネー賞では等間隔の真ん中3番手でレースを進めると、最後の200mで抜け出し4馬身半差をつけてみせた。2着に退けたのは昨年の仏ダービー馬でディープインパクト産駒スタディオブマン、3着はゴドルフィンの期待馬ガイヤース。前者は次戦のイスパーン賞でも勝ち馬から3/4馬身差の2着に好走し、後者はロイヤルアスコット開催のハードウィックステークスで上位人気が有力視される強豪と、少頭数ながら相手関係も充実していた。

サンクルー大賞でのG1初制覇など、昨年は2400mの重賞を4連勝して一線級の仲間入りを果たしたが、A.ファーブル調教師はガネー賞の内容を受けて2000m前後により高い適性を見出し、今回の参戦を決めている。既に十分な実績を築いてきたヴァルトガイストだが、名伯楽の見立て通りに実力を発揮できれば、あっさり勝利をさらっても不思議はない。

ヴァルトガイストの競馬データ