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【コーフィールドC回顧】好騎乗光ったベストソリューションV 日本馬は厳しい豪州初戦に…。

2018年10月21日 11:00

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 豪州競馬としては2016年のG1メルボルンカップ以来、2度目の馬券発売レースとなった20日に行われたG1コーフィールドカップ(芝2400m)には、チェスナットコート(牡4歳、矢作厩舎)、ソールインパクト(牡6歳、戸田厩舎)の日本馬2頭を含む18頭が出走した。直前のスコールによって馬場発表は重。馬の球節あたりまでが隠れる芝の深さがタフな競馬になることを予感させた。

 JRAの単勝オッズで10倍を切ったのは地元の4歳牝馬のヤングスター(4.6倍)、4歳セン馬キングズウィルドリーム(5.1倍)、アイルランドのA.オブライエン厩舎が送る4歳牡馬のザクリフスオブモハー(6.9倍)、英国から遠征した4歳牡馬のベストソリューション(7.0倍)、そして、ハーツクライを父に持つチェスナットコート(9.2倍)の5頭。ハンデ戦らしく人気は割れた。

 自然の地形につくられたコーフィールド競馬場は日本では見られないおむすび型の変形コース。ゲートを出た18頭が最初のコーナーに向かうと地元のエースハイが先頭に立ち、武者修行中の坂井瑠星騎手が騎乗するソールインパクトが大外から2番手をうかがった。これに先を譲ったホームズマンが3番手に下げ、その後ろに欧州重賞を3連勝中のベストソリューションがつける。H.ボウマン騎手のザクリフスオブモハーも中段に位置してスローペースに折り合いをつけながら有力馬は思い思いのポジションでレースを進めた。

 下り坂に差し掛かる最終コーナー手前で一気に加速した伏兵ザタージマハルが主導権を握ろうとしたが、これに遅れまいとべストソリューションが反応よく追撃。ザタージマハルを一気に交わすと内を通って先頭に立ち、直線は外から迫るホームズマンと一騎打ち。ひと呼吸遅れてザクリフスオブモハーが追い上げるも、水気を含んだ芝がその切れ味を奪った。

 ベストソリューションとホームズマンが馬体を併せたゴールはわずかに内のベストソリューションの先着で勝負は決した。2着から1馬身3/4差の3着にザクリフスオブモハー、4着にドゥレット、5着にザタージマハルが入線。日本から参戦したチェスナットコートは先頭から10馬身以上離れた13着、果敢に先行策を取ったソールインパクトは14着でレースを終えた。

 勝ったベストソリューションは、これで22戦9勝。3月のG1ドバイシーマクラシック(芝2410m)ではレイデオロとモズカッチャンの間の5着だったが、欧州に戻るやひと皮むけたような走りを披露。7月の英G2プリンセスオブウェールズS(芝2400m)の優勝を皮切りに8月はドイツに遠征してG1ベルリン大賞(芝2400m)をものにすると、前走9月のG1バーデン大賞(芝2400m)まで重賞3連勝。同じくゴドルフィン所属で10月13日のG1ラドブロークスSを制したベンバトルなどとともに豪州遠征の旅に出た。

 トップハンデの57.5kgを克服しての勝利は、過去3度走って2勝、2着1回と得意の「重馬場」であったこと、豪州では抜群の実績を誇るデインヒル(父コディアックはその直仔)の「血」の後押しもあったが、勝利を呼び込んだ立役者は鞍上のP.コスグレイヴ騎手であることに間違いはない。以前は豪州のゴドルフィンの主戦を務めていたJ.マクドナルド騎乗のザタージマハルが勝負をかけるのを見るや否や、P.コスグレイヴ騎手は躊躇なくスパート。デフォーをクビ差おさえたバーデン大賞同様に、並んだら負けないベストソリューションの負けじ魂に火をつけた。

 2着ホームズマンは父が短距離向きのウォーフロントで距離が心配されたが、行き脚がつくとそのパワーを見せつけた。3着ザクリフスオブモハーは豪州初戦のG1ラドブロークスS(4着)から着順をひとつ上げ、目標のG1メルボルンカップにメドを立てたと見ている。

(サラブレッドインフォメーションシステム 奥野 庸介)

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