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【香港国際競走回顧】ウインブライトなど日本馬が3勝、2001年以来の快挙!

2019年12月10日 16:50

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 雲一つない空の下、良馬場の香港シャティン競馬場で香港国際競走が行われた。

 先陣を切って行われたのは2400mの香港ヴァーズ。1番人気(全てJRAでの人気)に推されたのは昨年の覇者で地元馬のエグザルタント。大外枠から好スタートを決めてハナを切った。

 日本馬はグローリーヴェイズ(牡4歳、美浦・尾関知人厩舎)が中団のイン。その少し後ろの外にラッキーライラック(牝4歳、栗東・松永幹夫厩舎)がいて、ディアドラ(牝5歳、栗東・橋田満厩舎)は14頭立ての最後方からの追走となった。

 前半の通過は1分13秒台。緩い流れで3コーナーから4コーナーへ。馬群の中を突いてグローリーヴェイズ、その外にラッキーライラック、更に大外をまくるようにディアドラが前との差を詰める。直線、上がりの速い競馬に持ち込んだエグザルタントが粘るところを外からラッキーライラックが差を詰めるが、その2頭の間を突いたグローリーヴェイズの伸びが良い。ラスト200mを切って先頭に立つと激しい2着争いを尻目に一気に突き抜け2分24秒77の好時計で優勝。3馬身半差の2着がラッキーライラックで以下、エグザルタント、ディアドラという順でゴールした。

G1初制覇を果たしたグローリーヴェイズとモレイラ騎手。(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

 グローリーヴェイズはこれがG1初勝利。騎乗したJ.モレイラ騎手は「木曜の追い切りに乗って状態の良さを感じていたので、折り合いだけ気をつければ勝てると思った」と語り、レース前から自信があった胸の内を明かした。

 続いて行われた香港スプリント(芝1200m)には日本のダノンスマッシュ(牡4歳、栗東・安田隆行厩舎)が挑戦。このレースを連覇したロードカナロアを父に持つ血に期待がかかったが短距離王国・香港のスピードの前に8着。逃げた1番人気のエセロをビートザクロックとホットキングプローンがかわしたところがゴールだった。

 香港マイル(芝1600m)には4頭の日本馬が出走した。2番人気のインディチャンプ(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)とペルシアンナイト(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)はスタートが今一つで後方からに。1番人気のビューティージェネレーションをかわしてハナに行ったのは同じ香港のカーインスター。アドマイヤマーズ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)が中団5番手で、その後ろの6番手にノームコア(牝4歳、美浦・萩原清厩舎)、徐々に番手を上げたインディチャンプとペルシアンナイトがこれに続く形で前半は48秒台。マイル戦としては緩い流れで勝負どころを迎えると、後続も先頭集団との差を詰めて直線へ。

王者ビューティージェネレーション(左)をかわし先頭に立つアドマイヤマーズ(手前)。(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

 スローペースに乗じてビューティージェネレーションが早目に抜け出しにかかったが、ラスト100mでこれを捉えたのがアドマイヤマーズ。他の日本勢が伸びあぐねるのとは対照的に伸びると、外から追い上げてきたワイククを半馬身抑えて先頭でゴール。ビューティージェネレーションは3着に粘り、4、5着がノームコアとペルシアンナイト。インディチャンプは7着に敗れた。勝ち時計は1分33秒25で騎乗したのはフランスの名手C.スミヨン騎手だった。

 メインとなる香港カップ(芝2000m)は8頭立て。唯一の日本馬ウインブライト(牡5歳、美浦・畠山吉宏厩舎)は大外8番枠。スタートで出負けをしたが「スローになると思った」とよんだ松岡正海騎手にいざなわれて最初の1、2コーナーをカーブする時には大外をまくるように3番手まで進出。実際、最初の1200mが1分14秒台という緩ペースだったから、この手綱捌きが吉と出た。

 向こう正面でウインブライトを内から僅かにかわし、馬体を並べて3番手となったのが3番人気のマジックワンド。その後ろの外に4番人気ライズハイで内に2番人気のフローレという隊列。

香港カップを制して歓喜の抱擁をする松岡騎手。(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

 4コーナーではウインブライトが外へ持ち出され、更にその外にライズハイ。直線ではその2頭が伸びて来たが、ウインブライトがライズハイを振り切って先頭に立ったところで今度は内からマジックワンドが急襲。しかし、短アタマ差、これを振り切り、ウインブライトが春のクイーンエリザベス2世カップに続き、香港の2000mのG1レースを制覇。2分00秒52という同競走のレコードでの勝利。香港の国際4レースのうち3つを日本馬が制したのはステイゴールド(香港ヴァーズ)、エイシンプレストン(香港マイル)、アグネスデジタル(香港カップ)が優勝した2001年以来の快挙となった。

取材・文:平松さとし