【世界の騎手紹介 Vol.17】クレイグ・ウィリアムズ
2018年11月14日 15:00
2019/2020年シーズンまでの近5シーズン連続を含めて過去9度もオーストラリア・ヴィクトリア州のメトロポリタン(主要競馬)におけるチャンピオンジョッキーに輝く名手だ。
オーストラリア出身のクレイグ・ウィリアムズ騎手は1977年5月23日生まれ。騎手でもあった父アランの厩舎の見習い騎手として1993年にデビュー。2000年にグランエシェゾーでG1オーストラレシアンオークスを制してG1初制覇を果たした。
その後、オーストラリアを離れてイギリス、ドバイ、香港を拠点に騎乗。元イングランド代表のサッカー選手だったM.シャノン調教師の主戦を務めた2000年には、G1デューハーストステークスとG1サラマンドル賞をシャノン厩舎のトゥブーグで優勝するなど世界の舞台でも輝きを見せた。
2005年に当時香港で開業していたD.ヘイズ調教師とともに香港からオーストラリアに戻り、ヘイズ厩舎の主戦騎手として活躍。2006年のG1ゴールデンスリッパーステークス、G1豪1000ギニー、G1クラウンオークスをミスフィンランド、G1コックスプレートをフィールズオブオマー、2007年のG1ヴィクトリアダービーをキブツ、2009年のG1オーストラリアンカップをニコネロで制すなどして、2005/2006年から2008/2009年まで4シーズン連続でヴィクトリア州のメトロポリタンにおけるチャンピオンジョッキーに君臨した。
2009年10月にヘイズ調教師と袂を分かった後はフリーとして騎乗。その勝負強さは際立っており、2011年にはサザンスピードでG1コーフィールドカップ、ピンカーピンカーでG1コックスプレート、ドゥーナデンでG1香港ヴァーズに優勝。以降もドゥーナデンで制したG1コーフィールドC、クライテリオンのG1クイーンエリザベスステークスなど数々のビッグタイトルを獲得。2019年11月にはG1メルボルンCをヴァウアンドディクレアで制して、史上8人目となるオーストラリアのグランドスラム(メルボルンC、コーフールドC、コックスプレート、ゴールデンスリッパーステークス)を達成した。近年は2度目の全盛期を迎えており、冒頭でも記したように2019/2020年シーズンまでの近5シーズン続けてチャンピオンジョッキーに輝いている。
日本関連では、2018年にはブレイブスマッシュでG1フューチュリティステークス、2019年にはフィアースインパクトでG1トゥーラックHとG1カンタラステークスを制して、見事に日本産馬をオーストラリアでG1制覇へと導いたほか、日本でもジャガーメイルのG1天皇賞(春)、グランプリボスのG1NHKマイルカップ、そしてアルフレードのG1朝日杯フューチュリティステークスとG1を3勝している。
近年のG1勝ち
2020年:
メムジーS(オーストラリア):ベヒーモス
ローズヒルギニー(オーストラリア):キャステルヴェキオ
ウィリアムレイドS(オーストラリア):ラヴィングギャビー
2019年:
メルボルンC(オーストラリア):ヴァウアンドディクレア
カンタラS(オーストラリア):フィアースインパクト
マニカトS(オーストラリア):ラヴィングギャビー
トゥーラックH(オーストラリア):フィアースインパクト
2018年:
ケネディマイル(オーストラリア):ベストオブデイズ
豪1000ギニー(オーストラリア):アンフィトライティ
ウィリアムリードS(オーストラリア):ヘルベント
フューチュリティS(オーストラリア):ブレイブスマッシュ
C.F.オーS(オーストラリア):ハートネル
2017年:
メムジーS(オーストラリア):ベガマジック
ザ・グッドウッド(オーストラリア):ベガマジック
ブルーダイヤモンドS(オーストラリア):キャッチー
2016年:
ザギャラクシー(オーストラリア):グリアンテ
文:秋山 響(TPC)