【世界の馬主紹介 Vol.9】ハムダン殿下

2019年01月30日 15:00

2021年3月24日に逝去。現在のドバイ首長であるモハメド殿下の兄で、先々代の首長ラシッド殿下の次男。ドバイの副首長を務めた。正式名称はシェイク・ハムダン・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム。その競走および生産オペレーションは死後も受け継がれている。

UAE、そして世界を代表する馬主のひとりだったハムダン殿下はドバイ出身で、1945年12月25日生まれ。モハメド殿下と同様に、イギリス留学中に競馬に魅了され、1980年7月にムシュレフで馬主としての初勝利を記録した。

初期の代表馬は、1989年のG1英2000ギニー、G1英ダービー、G1エクリプスステークス、G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを制したナシュワン、1990年のG1英1000ギニー、G1英オークス、G1愛ダービー、G1ヴェルメイユ賞に優勝したサルサビル、そして1990年のG1ナンソープステークス、G1スプリントカップ、G1アベイドロンシャン賞を制した快速馬デイジュール。

以降も、1994年のG1英ダービー勝ち馬エルハーブ、2001年のG1英チャンピオンステークス、2002年のG1ドバイシーマクラシックなどに勝ったネイエフ、2004年のG1英2000ギニーやG1英チャンピオンSを制したハーフド、2006年のG1ブリーダーズカップクラシックと2007年のG1ドバイワールドカップ優勝のインヴァソール、2014年のG1英オークスとG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSを制したタグルーダ、2015年のG1ジュライカップやG1英チャンピオンズスプリントステークス優勝のムハーラー、そして逝去後の2021年5月のG1ケンタッキーオークスを制したマラサートなど数多くの名馬を所有(法人名義であるシャドウェルステーブルの所有馬も含む)。イギリスのチャンピオンオーナーには直近の2020年も含めて9度輝いた。

当初から生産にも力を注いでおり、イギリスのシャドウェルエステイト(複数牧場の総称)、アイルランドのデリンズタウンスタッド、アメリカのシャドウェルファームなど大規模な牧場を所有。これまで前記したナシュワン、エルハーブ、タグルーダ、それにゴドルフィンの所有馬として2001年のG1凱旋門賞を制したサキー、2010年のG1英2000ギニーやG1ジャックルマロワ賞に優勝したマクフィなど数多くのG1勝ち馬を生産している。

近年のG1勝ち(シャドウェルステーブル名義も含む)
2021年
ケンタッキーオークス(アメリカ):マラサート
アッシュランドS(アメリカ):マラサート
SAクラシック(南アフリカ):マルムース

2020年
サンチャリオットS(イギリス):ナジーフ
ナンソープS(イギリス):バターシュ
サセックスS(イギリス):モハーザー
ファルマスS(イギリス):ナジーフ
チャンピオンズチャレンジ(南アフリカ):ハウワーム
ホースチェスナットS(南アフリカ):ハウワーム
キングズスタンドS(イギリス):バターシュ
サンタラリ賞(フランス):タウキール

2019年
ナンソープS(イギリス):バターシュ
ロッキンジS(イギリス):マスタシュリー
デイリーニューズ2000(南アフリカ):ハウワーム
チャンピオンズチャレンジ(南アフリカ):ハウワーム
ホースチェスナットS(南アフリカ):ソクラット
SAクラシック(南アフリカ):ハウワーム
ケープダービー(南アフリカ):アトヤーブ

2018年
ケープギニー(南アフリカ):ソクラット
プレミアズチャンピオンS(南アフリカ):ソクラット
コモンウェルスC(イギリス):エクティダール

2017年
アベイドロンシャン賞(フランス):バターシュ
ヴォスバーグS(アメリカ):タカフル
コンピュータフォームスプリント(南アフリカ):ラフィーフ
サウスアフリカンナーサリー(南アフリカ):ムスターキーム
ガルフストリームパークターフH(アメリカ):アルマナー

2016年
BCダートマイル(アメリカ):タマークズ
愛2000ギニー(イギリス):オータード
ドバイゴールデンシャヒーン(UAE):ムアラブ

文:秋山 響(TPC)