【世界の調教師紹介 Vol.29】アラン・ドゥロワイエデュプレ

2020年03月27日 15:00

2008年にアンドレ・ファーブル調教師の22連覇を阻んでフランスのチャンピオントレーナーに輝いた伯楽。

1944年9月24日、フランス生まれ。父が場長をしていたノルマンディの国立サンロー牧場で育ち、アマチュア騎手として障害レースでも活躍。その後、ルメニル牧場で8年ほど働いた後、1972年にノルマンディで開業。当時は障害馬が中心で、同年4月の初勝利も障害戦だった。

その後、1981年にシャンティに拠点を移し、アガ・カーン4世殿下が多くの馬を預けていたフランソワ・マテ調教師が1983年に死去すると、アガ・カーン四世殿下からマテ調教師の後継に指名された。すると、マサリカでG1ロベールパパン賞、シャラヤでG1ヴェルメイユ賞に優勝といきなり好結果を残し、翌1984年にはマサリカでG1仏1000ギニー、ダルシャーンでG1仏ダービー、ラシュカリでG1・BCターフ、1985年にはムクターでG1仏ダービー連覇達成と次々に大レースを制覇していった。

それ以降も大レースでの勝利は枚挙に暇がなく、G1凱旋門賞はダラカニ(2003年)、ザルカヴァ(2008年)で2勝。G1仏ダービーは上記ダルシャーン、ムクターのほか、ナトルーン(1987年)、ダラカニ(2003年)、ダルシ(2006年)、リライアブルマン(2011年)で6勝、G1仏オークスもシャメカ(1993年)、ヴェレヴァ、ザインタ、ダリヤバ(1997~99年3連覇)、ザルカヴァ(2008年)、サラフィナ(2010年)で6勝。ほかG1仏2000ギニーはアシュカラニ(1996年)、デイラミ(1997年)、センダワール(1999年)で3勝、G1仏1000ギニーも上記マサリカのほか、ザルイーカ(1998年)、ダルジナ(2007年)、ザルカヴァ(2008年)で4勝を挙げ仏クラシックも完全制覇を果たしている。

近年のG1勝ち
2019年
サンタラリ賞(フランス):シヤラフィナ

2018年
なし

2017年
カドラン賞(フランス):ヴァジラバド
パリ大賞(フランス):シャキール
サンクルー大賞(フランス):ザラク

2016年
ロイヤルオーク賞(フランス):ヴァジラバド
ガネー賞(フランス):ダリヤン

文:秋山 響(TPC)