【香港カップ】昨年に続く日本馬の連勝なるか!? 過去10年のレース傾向

2020年12月11日 11:00

 近5年で2015年エイシンヒカリ、16年モーリス、昨年のウインブライトと日本馬が3勝し、躍進が目立つ香港カップ。日本馬による連覇なるか、2010年以降・過去10年のデータを中心にレース傾向ならびに馬券での狙いどころを探っていく。

 表1はJRAで馬券発売が開始された2016年以降・近4年の香港カップ3着以内馬と主な券種の配当。近4年で毎年1頭は日本馬が3着以内に入っている。好走した日本馬5頭はいずれも上位3番人気以内に支持されていた

 対して、香港馬は3着以内馬6頭中5頭が3~5番人気だった。落ち着いた頭数ということもあり、人気薄の激走こそないが、日本馬の方が上位人気になりやすく、香港勢は3~5番人気馬が多く馬券に絡む構図となっている。

 3着以内馬はすべて4~6歳馬。波乱傾向が強い香港マイルと対照的に、3連単で万馬券となったのは18年のみと堅めの決着が続いている。

 表2は前走レース別3着以内数。前哨戦のジョッキークラブカップ組が一昨年のグロリアスフォーエバーら過半数の6勝。昨年は3着ライズハイが該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。ただし、前走1着馬による勝利は12年カリフォルニアメモリーのみで、前走2着以下だった馬が大半の5勝をあげている。

 天皇賞・秋組は15年エイシンヒカリ、16年モーリス、昨年のウインブライトと3勝をあげており、3着以内数も6回と多い。エリザベス女王杯組の勝利は10年スノーフェアリーで、15年ヌーヴォレコルトが2着と好走。勝ち馬はすべて上位3レースから出ている。

 その他のレースから2・3着馬は出ているものの、日本からの遠征馬は天皇賞・秋組が最有力といえそうだ。

 表3はゲート番別成績。最内の1番に入った馬が一昨年のグロリアスフォーエバーら最多の4勝をあげている。これら内の1~3番に入った馬が3着以内馬30頭中14頭と半数近くを占めており、いずれも複勝率40%以上と優秀だ。また、8番の馬も昨年のウインブライトら3勝をあげ、連対率40%・複勝率50%で1番と並んでトップだ。

 対して、外目の11~13番に入った馬からは、12番ゲートから逃げて勝利した15年エイシンヒカリしか好走馬が出ていない。

 表4は調教国別3着以内数。地元香港勢が過半数の6勝。この中でA.クルーズ調教師が11年・12年連覇のカリフォルニアメモリー、17年タイムワープと最多の3勝をあげている。日本馬は15年エイシンヒカリ、16年モーリス、昨年のウインブライトと近5年では香港馬を超える3勝。11年以降の近9年は香港馬か日本馬のどちらかが勝利している。

 イギリス調教馬は10年スノーフェアリーが勝利。近年は香港馬対日本馬の構図となっているが、昨年はアイルランドのA.オブライエン厩舎のマジックワンドが2着と好走。今回は同厩舎から今秋のアイリッシュチャンピオンSを制したマジカルが出走予定で、目が離せない。

 最後に表5は、過去10年で3着以内に好走した日本馬と今年の出走予定馬3頭。表2でも示したように、3着以内馬8頭中6頭は前走で天皇賞・秋を使われていた。着順に関係なく、天皇賞からの臨戦は有力だ。

 今年の遠征馬3頭の中で、ウインブライトは昨年クイーンエリザベス2世C、香港カップとシャティン芝2000mで2戦2勝と抜群の相性を誇る。今回がラストランと報じられており、実力を出し切れば有終の美を飾る可能性は十分にある。

 ダノンプレミアムも天皇賞・秋組で、持ち前の先行力を生かせればチャンスあり。ノームコアは前走エリザベス女王杯で16着と大敗したが、昨年末の香港マイル(4着)で遠征経験がある。うまく脚を溜められれば、上位進出が見えてくる。