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99年の欧州年度代表馬デイラミが死亡、キングジョージやBCターフ制す
プロフィール
キャリアアップして周囲のレベルが上がるほど、自身の能力を発揮できる条件も狭まっていくもの。未知の世界に踏み出すことはチャンス以上のリスクを伴うが、年を重ねるごとに距離の壁を克服し、世界最強にまで上り詰めたデイラミは、競馬界において稀有な挑戦者であり王者だった。
2歳最終戦のG1クリテリウムドサンクルー(2000m)で惜敗したデイラミは、3歳になると仏2000ギニーを制してクラシックホースに輝いた。その後は2400m(当時)の仏ダービーに向かわず、セントジェームズパレスSからジャックルマロワ賞、ムーランドロンシャン賞とマイルG1を3連戦。それぞれ一歩及ばなかったものの、G1戦線で堂々の成績を残して3歳シーズンを終えた。
アガ・カーン殿下の自家生産馬としてデビューし、クラシックのタイトルまで手にしたデイラミの前途は約束されたようなもの。引退して種牡馬になることも可能だったはずだ。しかし、この馬の才能を高く評価していたドバイのモハメド殿下が、現役引退後の返還を条件に所有権の譲渡を受けたことにより、デイラミのキャリアに大きな転機が訪れる。
デイラミは4歳を迎えるとS.ビン・スルール調教師の管理馬となり、モハメド殿下が率いるゴドルフィンの所有馬として心機一転を図った。初戦に選んだのは10ハロンのタタソールズゴールドCで、これに完勝すると、その後にエクリプスS、さらにアメリカへ遠征して11ハロンのマンノウォーSも制覇。中距離G1で3勝を積み上げ、4歳シーズンが終わる頃にはマイラーのイメージから脱却していた。
5歳も現役を続行したデイラミは初戦のドバイワールドカップでダートに初挑戦。結果は5着と不発に終わったものの、欧州に戻ると2戦目のコロネーションCで12ハロン初勝利を挙げ、新たな領域の開拓に成功する。その一戦は序盤のペースが遅すぎたこともあって内容を評価されなかったが、次戦では4歳時に4着と跳ね返されたキングジョージに再挑戦し、5馬身差の圧勝で異論を封じてみせた。
その後、欧州統一を期して日本からエルコンドルパサーも遠征した凱旋門賞に参戦。不良馬場に脚を取られてキャリア最悪の9着に完敗するも、続くBCターフで鮮やかに巻き返し、ゴドルフィン勢に初のBCタイトルをもたらして有終の美を飾った。その年、デイラミは歴代最強クラスのレーティング135を獲得。カルティエ賞年度代表馬に輝いている。
開催日 | 場所 | レース名 | 動画 | 着順 | 騎手 | トラック | 距離 | 馬場状態 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1999/11/06 | ガルフストリームパーク | ブリーダーズカップターフ(G1) | 1 | L.デットーリ | 芝 | 2400 | 稍重 | |
1999/10/03 | ロンシャン | 凱旋門賞(G1) | 9 | L.デットーリ | 芝 | 2400 | 不良 | |
1999/09/11 | レパーズタウン | アイリッシュチャンピオンステークス(G1) | 1 | L.デットーリ | 芝 | 2000 | 重 | |
1999/07/24 | アスコット | キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス(G1) | 1 | L.デットーリ | 芝 | 2400 | 良 | |
1999/06/04 | エプソム | コロネーションカップ(G1) | 1 | L.デットーリ | 芝 | 2410 | 稍重 | |
1999/05/23 | カラ | タタソールズゴールドカップ(G1) | 2 | L.デットーリ | 芝 | 2100 | 良 | |
1999/03/28 | ナドアルシバ | ドバイワールドカップ(G1) | 5 | J.ヴェラスケス | ダート | 2000 | 良 | |
1998/10/17 | ニューマーケット | 英チャンピオンステークス(G1) | 3 | L.デットーリ | 芝 | 2000 | 良 | |
1998/09/12 | ベルモントパーク | マンノウォーステークス(G1) | 1 | J.ベイリー | 芝 | 2200 | 良 | |
1998/07/25 | アスコット | キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス(G1) | 4 | M.キネーン | 芝 | 2400 | 良 | |
1998/07/04 | サンダウン | エクリプスステークス(G1) | 1 | L.デットーリ | 芝 | 2010 | 良 | |
1998/06/16 | アスコット | プリンスオブウェールズステークス(G2) | 3 | L.デットーリ | 芝 | 2000 | 稍重 | |
1998/05/24 | カラ | タタソールズゴールドカップ(G2) | 1 | L.デットーリ | 芝 | 2100 | 良 | |
1997/09/07 | ロンシャン | ムーランドロンシャン賞(G1) | 3 | G.モッセ | 芝 | 1600 | 良 | |
1997/08/17 | ドーヴィル | ジャックルマロワ賞(G1) | 2 | G.モッセ | 芝 | 1600 | 良 | |
1997/06/17 | アスコット | セントジェームズパレスステークス(G1) | 3 | G.モッセ | 芝 | 1600 | 良 | |
1997/05/11 | ロンシャン | 仏2000ギニー(G1) | 1 | G.モッセ | 芝 | 1600 | 重 | |
1997/04/20 | ロンシャン | フォンテーヌブロー賞(G3) | 1 | G.モッセ | 芝 | 1600 | 良 | |
1996/11/02 | サンクルー | クリテリウムドサンクルー(G1) | 2 | G.モッセ | 芝 | 2000 | 重 | |
1996/10/07 | エヴリ | ヘロド賞(L) | 1 | G.モッセ | 芝 | 1600 | 良 | |
1996/09/19 | ロンシャン | 条件戦 | 1 | G.モッセ | 芝 | 1600 | 稍重 |
距離 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
~1400m | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0% | 0% | 0% |
1401m~1800m | 4 | 1 | 2 | 0 | 7 | 57% | 71% | 100% |
1801m~2100m | 3 | 2 | 2 | 1 | 8 | 38% | 63% | 88% |
2101m~ | 4 | 0 | 0 | 2 | 6 | 67% | 67% | 67% |
馬場状態 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
良馬場 | 6 | 2 | 3 | 2 | 13 | 46% | 62% | 85% |
稍重馬場 | 3 | 0 | 1 | 0 | 4 | 75% | 75% | 100% |
重馬場 | 2 | 1 | 0 | 0 | 3 | 67% | 100% | 100% |
不良馬場 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0% | 0% | 0% |