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伝統のイボアHでデットーリ騎手の神業炸裂! ゴールデンホーン産駒で凱旋門賞を再現

2022年08月21日 09:30

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 英ヨーク競馬場イボア開催の掉尾を飾るイボアハンデキャップ(4歳以上、芝14ハロン)が現地20日に20頭により争われ、L.デットーリ騎乗の5番人気トローラーマンが、同馬の父ゴールデンホーンの凱旋門賞制覇を彷彿とさせる名手の神業的騎乗により接戦をものにした。

 外から4番目の20番枠から出たトローラーマンは、1周目のスタンド前で他馬が内ラチへ寄せていくのを横目に1頭だけ外ラチ沿いを直進。最初のコーナーで内へ切り込みながら先頭に立つ。そのまま迎えた直線では馬場の中央へ持ち出され、2番手追走の2番人気アールオブタイロンに外から捕まるなど馬群に飲まれかけた。

 しかし、中団追走の4番人気アルフレッドブーシェが内から伸びてくると併せ馬で息を吹き返し、アールオブタイロンを差し返してアルフレッドブーシェを最後の一完歩で逆転(短アタマ差)。さらに1馬身差の3着にアールオブタイロンが続いて決着した。

 トローラーマンはゴドルフィン所有でJ&T.ゴスデン調教師が管理する4歳セン馬。昨年4月にデビュー3戦目で初勝利を挙げ、次戦のG3クラシックトライアル(6着)後に約1年の休養とともに去勢された。今年4月の復帰後は一貫してハンデ戦に使われ、前走まで2勝していた。

 神業炸裂のデットーリ騎手は「自分は彼をリラックスさせることに努めた。直線では負けたと思ったけど芦毛の馬(アルフレッドブーシェ)が来て助かった面がある」「馬場の外目を走ろうと思っていて、そこまでではなかったけどラインには乗っていた。正直なところ、彼が踏ん張って頭を突き出してくれたから“際どい!”と思えたのでね」とトローラーマンの勝負根性を称賛している。

 また、J.ゴスデン師は凱旋門賞のゴールデンホーンはデットーリ騎手の提案で離れた外を走ったと明かしつつ「作戦が上手く行かなかった時のことを理解してくれるオーナーに恵まれる必要がある。上手く行かない時はそういうものだとね。一つだけリスクがあって、皆が外へ出てきたら走りやすい場所が分かってしまうことなのだが」と勝因を挙げた。

 なお、ゴスデン師はデットーリ騎手との関係が悪化しかけた騒動について「私は彼の注意を引けなかっただろうし、集中させることもできなかっただろう。それが全てさ。結果として、我々は彼に公から発する形で警告を与えた。そういうものさ」と振り返っている。

 イボアHは欧州のハンデ戦で最高の賞金総額50万ポンド(約8100万円)を誇り、同じイボア開催のG1ヨークシャーオークスやG1ナンソープステークスと同規模にある。昨年の優勝馬ソニーボーイリストンは次戦でG1愛セントレジャーも制したほか、このレースをステップに豪G1メルボルンカップへ遠征する馬も多い。